チュニジアでの合宿を終えて、レユニオン島入りしたフランス代表。距離的にも南アフリカに近づき、9日後に迫ったW杯初戦に向け準備を進めている。

 しかしここへ来て、チームの和に不安が生じている。正確には、DFウィリアム・ギャラスがチーム内で孤立しているというのだ。2日、ラジオ局のRMCが報じた。

 同局のレポートによると、フランス代表は、リベリを中心とするグループと、アンリを中心とするグループに分かれるが、ギャラスはそのどちらにも属していない。若手や控えの選手との接触もない。チームの雰囲気はおおむね良好と伝えられるが、ギャラスの態度だけがそれを乱す要素となっているという。

 ギャラスの不満のひとつは、先の強化試合2戦で、自分が主将に選ばれなかったこと。これまでは4大会連続出場のアンリが文句なしの主将だったが、ここ2試合はスタメン落ちしたため、エヴラが務めた。アンリに次ぐ代表キャップ数を誇るギャラスとしては納得がいかないらしい。

 ギャラスのキャプテンシーについては、過去に所属するアーセナルでも問題になったことがあり、主将の座を奪われて久しい。ちなみに代表落ちしたナスリが明かしたように、ギャラスの孤立はアーセナルでも指摘された。

 またギャラスはピッチ上でも、ドメネク監督の指示を無視する態度に出ているという。これについては、チュニジア戦のあと、アンリとリベリがギャラスと直接話し合ったとされる。

 同局のレポーターは、アーセナルとの契約が切れるギャラスの今後のプレー先が定まっていないこと、W杯開幕までにケガから完全に回復するか不安があることで、焦りが生じているのではないかと分析している。

 なおレキップ紙によると、ギャラスは2日朝のランニング中に吐き気を訴えてホテルに帰った。前々日にも、これまでの故障箇所とは反対の右ふくらはぎにも痛みを訴え、試合翌日のクールダウンを中途で放棄している。もし“孤立”のことも含めて問題が深刻ならば、最悪の場合、メンバー入れ替えという事態にもなりかねない。