新たなサインだ。強烈で、おそらくは決定的なサインと言えるだろう。チャンピオンズリーグ(CL)決勝まで数日となり、インテルのジョゼ・モウリーニョ監督はスペイン『マルカ』のロングインタビューに応じた。レアル・マドリーは年俸500万ユーロで1年間の契約を残しているマヌエル・ペジェグリーニ監督を解任すると見られ、モウリーニョ監督をその後任としているのが『マルカ』紙だ。同紙はモウリーニョ監督を「彼の敵たちが目論むのとは異なり、素晴らしいくらいに好感が持て、謙虚に思われ、とても愛すべき人物だ」と称している。

インタビュアーはすぐに「来シーズンはレアル・マドリーを率いるのですか?」と直接的な質問をモウリーニョ監督にぶつけた。そして、指揮官は次のように答えている。

「分からないよ。偉大な指揮官や偉大な選手にとって、マドリーを経験しなければ、穴を開けたままキャリアを終えることになるとだけ言っておく。私は100%レアル・マドリーを率いたいと思うね。それが来シーズンになるか、もっと先のことになるかは言えない。オプションはマドリーかインテルだけだ。2年間に渡って素晴らしい仕事をしてきたクラブを去るとしたら、マドリーしかない。もちろん、クラブを離れるとすれば、十分に落ち着いた状態でそうするよ」

2日に分けて掲載されるインタビューの前半で、モウリーニョ監督はほかにも興味深いテーマについてコメントしている。

「(ズラタン・)イブラヒモビッチにはバロンドールを獲得し、もっとうまくなりたいから、バルセロナへ行くと言われた。だが、(リオネル・)メッシやシャビ、(アンドレス・)イニエスタといった選手たちがいるチームでうまくなるのは簡単じゃない。そして、望んでいたようにはいかなかった。逆に、(サミュエル・)エトーは野心と夢を持つクラブ、そしておそらくは謙虚なチームで、望んでいたものを完全に手にしたね。今のインテルはファミリーなんだ。そして彼は自分が重要だと感じている」

「(バイエルン・ミュンヘンのルイス・)ファン・ハール監督に何を言うか? バルセロナのような非常に素晴らしいクラブで、私は彼と3年間働くことができた。だが、私は完全にそれに報いたよ。懸命に働いたんだ。ピッチでの仕事、ライバルのスカウト、書類の作成、対戦相手に関してチームに伝える仕事、そして指揮を執り…私は仕事と汗で報いたんだ」

「私にとってファン・ハールは偉大な指揮官であり、とても誠実な人物だった。それに、私が下したいくつかの決断において、彼はとても重要な存在だったんだよ。ある時期に、ベンフィカの助監督のポストをオファーされ、彼は反対した。正式な監督としてなら私を手放すが、助監督ではダメだと言われたんだ。ベンフィカが招へいするどんな監督よりも、私の方が優れていると言ってくれたよ。ファンタスティックだったし、彼には感謝している」

「弟子が師匠を超えるという話は関係ない。私は自分が彼の弟子だとは感じていないからだ。それに、私は監督としてのファン・ハールを知っているが、彼はアシスタントとしてのモウリーニョしか知らない。これは大きな差だよ」

モウリーニョ監督は土曜のCL決勝を戦い、レアル・マドリーの監督となるだろう。2度に渡る4年間のクラブ経営において、彼はフロレンティーノ・ペレス会長が選んだ8人目の指揮官となる(ビセンテ・デル・ボスケ監督はすでにペレス会長の就任前からチームを率いていた)。