鴨田萌子シェフ
 こだわりぬいた素材を、シェフの華麗な手さばきと共に味わう事ができる鉄板焼「恵比寿」。ウェスティンホテル東京の敷地内にあり、連日国内外から多くの人々が訪れ、美しい料理に舌鼓を打っています。そんな、「恵比寿」で弱冠22歳という若さで活躍している美人シェフが鴨田萌子さんです。今回は、シェフスタイルが凛々しい鴨田さんにお仕事を始めたきっかけ、様々な出会いについてお話を伺いました。「いつか料理のお仕事に就きたい…」と考えている女子は必読です!

――現在、鴨田さんは毎晩お客様の前に立って腕を振るっていますが、料理を作ることに興味を持ったきっかけは何でしたか?

鴨田:小さい頃から、人に喜んでもらうことが大好きで、自分で料理を作ってみんなを喜ばせていました。とにかくレシピ本を買い漁って、食べてもらって「おいしい!」って言われたものを極めていって。1品ずつマスターしました。

――料理を仕事にしようと思った瞬間はどんな時でしたか?

鴨田:やっぱり好きな事をしたかったんですよね。日々をなんとなく過ごすよりは。そこで18歳の時に元々好きだった製菓の専門学校に入りました。でも、学んでいくにつれ、自分がやりたいことは製菓よりも料理だ!っていう気持ちが強くなってしまって。それで料理のほうが楽しくなってきて、1年で学校を辞めました。

――おお、それは転機ですね。

鴨田:それで、私に教えてくださっていた先生がアジアの料理大会に出るのでアシスタントを依頼されて、生徒だと行けないのですが、私も学校を辞めたタイミングなので同行しました。その先生がウェスティンホテル東京の沼尻総料理長と昔、上司と部下の関係にあったということで、紹介していただいて。

――素晴らしい人とのめぐり合いですね。鴨田さんは最初、結婚式の前菜を作っていて、「恵比寿」の斉藤料理長から、熱烈なオファーを受けて今に至ると伺いましたが。

鴨田:それまで私鉄板焼きって知らなかったんですね。私のイメージでは、お好み焼き、もんじゃ焼き…。ここにきて斉藤料理長に出会って、この分野を知って。一回、お料理を食べさせていただいて、すごく美味しかったし、「あ 面白そう」って興味をもったのがはじめですね。

――実際にお客様の前に立つ前は、どのような修行の日々だったのでしょうか?

鴨田:ひたすら塩を鉄板の上に置いて、カッチャギと言われる道具に慣れる練習を続けましたね。「自分の手だと思え」と言われて、調理場内ではずっとあれを持っている生活ですね。何時間も。

――ではデビューの日は印象深い?

鴨田:そうですね! 自分では普通にやっているつもりだったのですけど、周りから見るとがちがちに緊張していたようでお客様に「お肉の焼き加減はいかがですか?」と聞いた時に「頑張って焼いてください」とお声がけいただいて(笑)。それがすごく印象的でした。

――思わずやってしまった失敗談はありますか?

鴨田:お客様同士が会話してらっしゃるので、邪魔しないように無言で調理していたら、それが逆に「無愛想だね」と言われてしまって、場を乱してしまったことですね。鉄板焼きは、お客様の目の前で調理を行いますから、もちろん味見も出来ませんし、お客様が会話を望んでいるのか、静かにしておいて欲しいのか、その空気を見極めることがとても大事になると実感しました。

――このお仕事をしていて、一番嬉しい事とは何でしょう?

鴨田:元々、料理を始めたことも人を喜ばせる為でしたから、「また来るよ」って言ってもらうのが嬉しくて、「あなたに焼いて欲しい」って初めて指名をいただいた時の事はすごく印象に残っています。