マラウイのタバコ栽培農場で働いている何千人もの子供が、1日50本喫煙するのと同じぐらいのニコチン中毒を患っているという結果が、児童人権組織によって発表された。


5歳の子供達を対象に調査した結果、ひどい頭痛、下痢、筋力の低下、咳、呼吸困難などのニコチン中毒の症状があった。児童労働者は平均5歳、長時間の重労働で低賃金という環境。しかもタバコを吸っていないのに肌からニコチンを吸収してしまっている。ぬれたタバコの葉に触れることに起因する一種のニコチン中毒「グリーン・タバコ病(green tobacco sickness GTS)」として知られており、喫煙などによるニコチンへの抵抗が出来上がっていない子供にとってはきわめて深刻だそうだ。マラウイの子供達のニコチン吸収率は1日およそ54ミリグラム、50本のタバコのニコチン量に相当するそうだ。

アフリカ南部の貧困国では8万人以上もの子供が、学校に行けずにタバコ栽培農場で働いている。1日12時間労働で時給1,7セントにも満たない賃金で働いている子供が多い。もちろん肉体的、精神的な暴力だけでなく性的暴力の被害に遭っているが、家族のため、または学費を払うために働く必要があるという子供もいる。マラウイでも、1300万人の人口の半分が1日1USドル以下という生活を送っている。

タバコ産業が国の要となっているマラウイでは、この現状を変えるのは難しいようだ。
(TechinsightJapan編集部 近藤仁美)

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