採用枠が大幅に抑制されているとはいえ、このご時世、公務員は依然として人気職種である。そして公務員試験は平均すれば女性の方が成績が良い。

しかし、「公務員になって同じ公務員の男と結婚して一生安泰な生活を」という生活設計をしていると、「それは間違っている」と否定してくる人々がいる。官公労の婦人部である。



お役所の労組はオープンショップ制。つまり加入するもしないも各々の自由なのだが、労組は事実上、人事に口出しできる権限を手にしているため、「ワタシ一生転勤したくありませーん」という女性は、組合に加入していい顔を見せておく必要がある。

労組には婦人部という内部組織があって、そこでの指導的な立場にいる人々の中には、「ジェンダー・フリー」「フェミニズム」「男女共同参画」そして「普通の男女平等」のどれかを信奉している場合が多い。

「要するに男女平等推進なんじゃないの」と思うかもしれないが、この4つは同じものではなく、それぞれの信奉者同士は、概して仲が悪い。

それぞれに使っている用語も違うし、「アファーマティブ・アクション」(難しい用語だが、要するに雇用や昇進に関して強制的に男女半々の状態を推進することらしい。それ以上は筆者もよく知らない。)の是非についても、それぞれの信奉者の間では意見が分かれている。

もちろん、考え方の多様性は誰も否定できるものではないが、公務員として社会人デビューして右も左もわからない新人女子職員は、身の振り方をどうすればよいのか大いに悩むところだ。

労組は高校新卒者の学歴コンプレックスをうまく取り込むことが得意なので、右も左もわからない新卒女子を捕まえて「アナタ、ジェンダーフリー(またはフェミニズム、男女共同参画)って知ってる?」と言って巧妙に勧誘してくる。

難解な用語と理論を使うこれらのムーブメントを学んでいるうちに、すっかりエリート女性の気分になり、安穏な人生設計はどこかへ行ってしまう。

もちろん、実際にこれらの思想に共鳴したのであれば大いに学んで活動していただくことに何も問題はないが、共感が成立するかどうかで人間関係が決まる女子社会に、さらに理論的対立でいがみあうような状態が存在することは大変なストレスである。

実際に、あまりにも複雑な人間関係がイヤで、退職していく女子職員もいる。
国策である男女共同参画のモデルとなるべき優秀な人材が、あっさり結婚退職してしまうのは、もったいない話である。

(編集部 石桁寛二)

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