漫画家漫画ブーム、再来か?現代版『まんが道』が漫画業界に続々と登場。その中のひとつ、『俺はまだ本気出してないだけ』の魅力に迫る。


今、藤子不二雄Aの『まんが道』のような“漫画家漫画”の人気がスゴイ。“漫画家漫画”とは何か。要は漫画家志望者の漫画である。

週刊少年ジャンプの『バクマン。』と漫画ブログ『アシでメシが食えんのか』、月刊IKKIの『俺はまだ本気出してないだけ』がそうだ。どれも内容は非常に地味だが、よくできている。キャラが立っていて、専門用語があまり出てこないので、漫画業界に詳しくない人にもわかりやすい内容である。

実は、漫画業界の裏話に興味を持つ人は多いようだ。もしくは、漫画家志望者がそれだけ多いとうことなのか。

中でも『俺はまだ本気出してないだけ』は「このマンガがすごい!2009」のランキングで9位に選ばれるほど注目された。他にも様々なメディアで紹介されている。

他の2作品に比べると漫画業界の裏話は少ないが、漫画家志望の人のリアルな生活がよく伝わってくる内容となっている。

この漫画は、会社を突然辞めた小太りの中年男性が何となく漫画家を目指す日常を描いた物語である。しかし、友達と飲んだり、どんな漫画を描くか悩んで徹夜したり、娘にお金を借りたり、父親に怒られたりすることが多い。とにかくダメダメな主人公だ。

主人公・大黒シズオ(42)は、決して見た目が良いわけでは無い。描いた漫画も全部ボツになっている。なのに、無駄に自意識過剰。そして中途半端。勿論、大した努力もしてきていない。おまけに、苦労知らずである。だから世の中を舐めきっている。こんな大人になってはいけない。

それでも主人公を憎めないのは、共感する部分と憧れに近い感情が湧いてくるからだろう。何だか、主人公と似た部分が自分にもあることに気付かされたり、遠い昔に諦めてしまったことや忘れてしまった夢を思い出させてくれるのだ。

『きょうの猫村さん』や『聖☆おにいさん』のような、脱力系漫画が好きな人には是非オススメしたい。疲れている時や何も考えたくない時に読むと自分より下がいることでちょっと安心できるという効果もあるので、日々仕事に追われるサラリーマンにはもってこいの一冊かもしれない。
(編集部:藤岡あかね)

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