ああ、家でも仕事だ…「持ち帰り業務」の哀しき実態
エンジニアは仕事が忙しい。残業しても終わらない。だから自宅に持ち帰る。三段論法のようですが、メチャクチャおかしくないですか? しかも、「持ち帰る」ために何らかの苦労をしているとすれば矛盾の極致。そんな実情を知りたくてアンケート調査を始めたところ、ちょっと哀しいエンジニアの実態が……。

Part1 エンジニアの4割が書類作成や下準備を自宅で行う
 ソフト系エンジニアとハード系エンジニア、各150人に尋ねた300人のアンケート調査(22〜45歳の男性)によると、ここ1年で自宅に仕事を持ち帰ったことのある人は4割弱だった。その内容の多くは「書類の作成」や「情報の整理」で、「実務作業」という答えも。自宅が仕事場と化している!

■自宅業務はハード系職種に多く、半分以上が40代
 仕事を持ち帰っているのはどんな人か? 職種で分けると回答者111人中、ソフト系が51人でハード系が60人と後者が多く、持ち帰る回数が多くなるほどハード系の割合が増えていった。大きな差はないが、ハード系職種のほうが多少キツイ印象だ。また、「持ち帰っていないがその分を休日出勤」の41人中ではソフト系23人、ハード系18人で、ソフト系のほうが若干多かった。ただ、個々の職種での差は見えなかった。

 都道府県別での差はほとんどなかった。回答者の多い大都市圏で調べてみると、東京都54人中20人(37%)、神奈川県43人中19人(44%)、大阪府29人中10人(34%)、愛知県25人中9人(36%)と、平均値の37%とほぼ変わらない。持ち帰る回数が多い人ほど大都市圏の居住者が増えるが、もともとの回答者が多いので特徴的とも言えない。県単位の母数が少ないので単純に比較できないが、「持ち帰り業務」は全国的な傾向のようだ。
 顕著な差が出たのが年代。20代が33%、30代が29%、40代が53%となっており、40代では半数以上が「持ち帰り」。しかも、持ち帰る回数が多いことが特徴で、この年代(40〜45歳)に仕事が集中している様子が見える。

■自宅業務で多いのは資料の作成と仕事の下準備
 では、自宅業務の中身とは? 最大3つまでの選択形式で「会議・打ち合わせのための報告書や提案書の作成」が66%、「仕事の準備のための情報や書類の整理」が54%と圧倒的に多く、4人に1人は「設計やプログラミングなど主業務の実務」と答えている。技術用語をネットで調べるなどの軽い内容ではなく、本格的な業務である。
 また、アンケートでは「最も多い仕事の内容」も尋ねた。代表的なものを以下に紹介するが、持ち帰りの理由とその業務内容に共感する読者も多いはず。


Part2 USBメモリやノートPCでデータを持ち出しって、OK?
 自宅でできるエンジニアの仕事となると、PCを使った作業が中心だろう。データも持ち帰る必要が出てくるが、どこの企業でも情報漏えいには敏感で、社外へのデータ持ち出しを禁じているところも多い。エンジニアたちはどうしているのか?

■記憶媒体を使ったデータ持ち出しが7割、紙だけも1割
 自宅へのデータ移動の方法を尋ねると、5割弱の人が「USBメモリやハードディスク」という記録媒体を挙げた。「PCや端末」も似たようなものと考えれば、両者を併せて記録媒体を使う人は7割にも上る。メールやネットを使えば安心というわけではないが、こうした「モノ」は紛失や置き忘れもありうる。だから、「持ち帰るのは紙ベースで、デジタルデータは一度もない」と答えた人が約1割もいるのだろう。データを持ち帰るエンジニアはセキュリティをどうしているのか。

 アンケートでは別項目で、「自宅で仕事をするために苦労していること」をフリーアンサーで尋ねている。すると、「紙ベース」の回答者を除いたエンジニアの68%が、データセキュリティに関することを挙げた。中には「データ持ち出しは禁止ではない」「上司に了解を取っている」などの回答もあったが、やはり危機意識をもつ人が圧倒的に多く、具体的な「対策」を書いてくれた。以下に紹介するが、どれも涙ぐましい努力ばかり。
 持ち帰り業務とは、残業代が出ないうえにその労働時間は評価されず、本人だってやりたくない仕事のはずだ。それなのに、別の部分で苦労や無理な努力をするのは、空しい矛盾ではないだろうか。



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