22日に行われたユーロ2008準々決勝、スペイン対イタリアの因縁の一戦はPK戦の末、スペインがイタリアを下し、24年ぶりの準決勝進出を決めた。そのプレッシャーは選手のみならず、選手の家族もまた相当な緊張感の中、この一戦を見守ることになった。

 スペイン代表の守護神、イーケル・カシージャスの母親、マリア・デル・カルメンさんが緊張のあまりPK戦の前に気を失ってしまったとのことだ。すぐに運ばれ、意識を取り戻したため大事に至ることはなく、息子とスペインの勝利を祝うことができたという。

 2本のPKを止め、この試合のヒーローとなったキャプテン、カシージャスは試合後、「やっとその時が来た」とコメント。この言葉はスペイン全員の気持ちを代弁しているものだろう。

「ここでまた負けていたら、かなりキツかっただろうね。これまで常に欠けていた運を手にする時がやっと来たんだ。スペインはこの勝利を楽しむことができる。準決勝戦ではロシアが待っている。とても難しい試合になるだろう。グループリーグでは勝っているが、僕らみんな厳しい試合になるだろうってことは分かっているよ」。

 スペインにとって6月22日は不吉な日でもあった。1986年ワールドカップ・メキシコ大会、1996年ユーロ・イングランド大会、2002年ワールドカップ・日韓大会と同日のPK戦で3回とも涙を飲んだ。しかし、今回はそのジンクスを破り、ついに鬼門の“ベスト8”を乗り越えた。スペインが新たな歴史を作る時が来たのかもしれない。

(スペイン通信)