元日本代表監督のフィリップ・トルシエ氏が、母国フランスのユーロ2008での失敗について、20日付のレキップ紙に語った。

 トルシエ氏は、「今回の代表は、現実よりも理論上の価値に基づいて作られた。イタリアに比べて連帯感、一体感がなかった。ベテランと若手の2つにグループが分かれていたことに表れている。この点については、一部の選手をあえて外し、過去にこだわらないという勇気が監督に欠けていた。2004年(前回ユーロ)の“アクシデント”を思い出す。このとき人はデサイーを出すべきではなかったと理解したはずだ。次こそ“アクシデント”を予期し、前の世代が去るべきことを思い知るべきだ」と語り、ドメネク監督の人選に批判的な考えを示した。

 ただし、監督の進退については、辞任すべきとも続投すべきとも言っていない。「2006年(W杯)の実績と、協会との契約(2010年まで)を考えると、彼からチームを取り上げることは普通じゃないと思う」としつつも、「代えるのもまた、新しい力学を生み、これまでのしきたりと訣別することを可能にするだろう」と語る。「一部の選手からは、代表が最優先でないという印象を受けることがある」というトルシエ氏、選手が新しい大きな目標に向かってモチベーションを高めるためにも、指揮官の交代は有効、という見方のようだ。なお、次期監督候補としてトルシエ氏の名前が取り沙汰されることは、いまのところまったくない。