倉木麻衣
 今年2月にシングル「Season of love」を発表した後、6月には中国と台湾で、9月には韓国にてイベント出演を果たし、“アジアの歌姫”として活躍の場を広げる倉木麻衣。先月28日には、通算27作目となるシングル「Silent love〜open my heart〜 / BE WITH U」を発表した彼女が、今月12日の愛知厚生年金会館を皮切りにスタートしたライブツアー「Mai Kuraki Live Tour 2007 〜BE WITH U〜」の最終公演を21日、東京国際フォーラム・ホールAにて迎えた。

 ステージ上に光るハートの形を模したツアーロゴが姿を消すと、暗闇を切り裂くように歪んだギターが鳴り響き、赤いスポットライトに照らされてバンドメンバーが一人ずつ姿を現す。最後にステージに現れた倉木麻衣は、ライブの幕開けを宣言するように、オープニング・ナンバー「NEVER GONNA GIVE YOU UP」で高らかにその左手を突き上げた。

 客席から大きな手拍子が上がる中、「ダンシング」「ベスト オブ ヒーロー」「Growing of my heart」とアップテンポなナンバーを歌い終えた所で、まずは最初の挨拶。「今年は猪突猛進で、何事にも怖れず突進してチャレンジしていきたいと思い、初めて中国・台湾・韓国に行って歌を披露してきました。不安だらけだったんですけど、皆さんが支えて下さって、音楽を届けることができました。心から感謝しています。」と2007年を振り返った。また今回のツアーについて、「『BE WITH U』というタイトルは、会場全体が一体となれる、そんなライブをしていきたいと思い、付けさせて頂きました。皆さん今日は最後まで一緒にリズムを刻んで、楽しいひと時を過ごしていきましょう!」と想いを明かした。

 「Secret of my heart」ではスタンドマイクの前にしなやかに立ち、「Stay by my side」ではマイクを握り締め、一方の手を揺らしながら、内なる想いを歌い上げる。スノードームの映像と共にオルゴールの音色が流れ出すと、「白い雪」では冬の夜空へと溶ける白い吐息のように、コーラス隊と繊細なハーモニーを奏で、アコースティック・スタイルで披露された「thankful」では、その歌う姿に会場中がただただ静かに聴き惚れていた。

 来年1月1日には、7作目のオリジナル・アルバム「ONE LIFE」の発売を控え、「今年、日本から離れてみて“倉木麻衣”というあり方を見つめる機会が持てました。そこで感じた想いなどをストレートに作っていこうと出来上がったアルバムなので、是非聴いてみて下さい。自分は自分らしく生きていこう、そんな作品になりました。」と同作について語る。また、初めて訪れた中国・韓国・台湾でのエピソードに触れ、「中国では『A3 CHAMPIONS CUP』の公式テーマソングを担当させて頂いたのですが、音楽って素晴らしいな、競技場で色んな人達が心を一つにすることができるんだな、そういう素晴らしさを肌で感じてきました。」と、各国で得た様々な経験と、そこから生まれた新たな想いを述べた。