MKドンズの監督を務めるポール・インスが、ファビオ・カペッロ監督率いるイングランド代表のコーチ就任を全面的に否定した。現役時代はイングランド代表のキャプテンも務めたインスは、イングランド人コーチ就任を予定するカペッロ政権への入閣について、「まったく興味がない」とコメントしている。

 現役時代は、マンチェスター・ユナイテッドやインテルなどでプレーした経験のあるインス。現在、リーグ2(実質4部)のMKドンズを率いて首位を独走する若手監督は、代表キャプテンを務めた実績とイタリアでのプレー経験などから、カペッロ新監督の右腕として代表コーチに就任すると見られていた。しかし、イングランド人監督の就任を希望していたというインスは、監督業以外のポストには興味がないと語っている。

「私がイングランド代表のコーチに就任することはあり得ない。正直に言って、興味もない。私は監督の仕事を楽しんでいるし、誰かの下で働くのは性に合わない。それに、カペッロはイタリア人のコーチも4人も連れてくるのだろう。そんなチームのどこにイングランド人コーチが入れるのか分からない。少し無理があるようにも感じるね。そもそも、代表監督を他国から探さなくてはならないことは非常に悲しいことだ。個人的には、過去の実績ばかりを重視する必要もないと思う。カペッロは数多くのトロフィーを勝ち取ったかもしれないが、代表を率いる以上、選手を奮い立たせなければならないのだからね」

 自らの監督キャリアについて、「監督の仕事は10年以上続けるつもりはない。いずれは、家族と過ごす時間を作りたい。ただ、監督を辞めるまでに、一度はインテルの監督を務めたい。イタリア人がイングランド代表監督を務められるなら、私がインテルを率いることも可能なはずだ」とコメント。今やイングランドでも有数の若手監督として認められるインスだが、代表チームでの仕事に対し興味を抱いていない様子だ。外国人監督の就任を決めた協会の方針は、若手監督の代表に対する関心を薄れさせているのかもしれない。