バルセロナのMFロナウジーニョのチェルシー移籍問題は、来夏まで持ち越されることとなった。

 英国の『デイリー・メール』紙は、チェルシーのオーナーであるロシア人富豪ロマン・アブラモビッチが先週末、ロナウジーニョの代理人で実の兄でもあるロベルト・ジ・アシス・モレイラと接触し、このブラジル代表MFのロンドン行きについて話し合ったと伝えた。さらに、移籍期限を目前に控えた30日、ロナウジーニョは兄ロベルトとともに、バルセロナのジョアン・ラポルタ会長と話し合いの席を設け、今夏中のチェルシー移籍を迫ったとも伝えている。

 しかし、水面下で進められた両クラブ間の交渉では、7000万ユーロ(約110億円)の移籍金を提示したチェルシーに対し、バルセロナは1億ユーロ(約158億円)以上を要求。両者の隔たりは大きく、金銭面での合意には至らなかったようだ。

 今週木曜日には、チェルシーの最高経営責任者を務めるピーター・ケニオンがロナウジーニョ獲得についてコメント。今夏の獲得が困難を極めることを認めたケニオンは、バルセロナでチャンピオンズ・リーグに出場するであろうロナウジーニョを来年1月のマーケット解禁時に獲得したとしても、チェルシーのユニホームを着て同大会に出場することが出来ないため、今シーズンの獲得は見送る考えを示唆。しかし、「あきらめるつもりはない」と、来夏のマーケットにおける獲得をめざす考えを明らかにしている。

 設定金額さえ提示されれば移籍交渉に応じる構えをみせたバルセロナに対し、ロナウジーニョは不信感を露にしていると言われている。11ヵ月後のロンドンで、世界を代表するクラックが青いユニホームを纏う姿が見られる可能性が高まっている。