直接対決白星発進も、ニューヨーク地元紙は“松坂効果”に脱帽―。28日に行われた注目のヤンキース戦で、11敗目を喫したレッドソックスの松坂大輔投手について、敵地の地元紙「ニューヨークタイムズ」紙は、翌29日付けで、「松坂は、以前に比べてシャープさを失っていた」としながらも、「レッドソックスが松坂を獲得した本当の意味を顧みるべきだ」。直接対決の初戦に敗れてもなおも、7ゲーム差をつけてア・リーグ東地区1位をリードするレ軍の成功の秘密は、“松坂効果”にあるという長文記事を掲載した。
 同記事は、今季のレ軍は、松坂に総額1億ドルという巨額を投じて獲得したことで、先発陣が充実。更に、松坂の話し相手として獲得した岡島が、予想外に活躍するなど、相乗効果を生み出したことによると、分析。一方、松坂獲りに失敗したヤンキースが、5年契約を結んだ井川慶は、メジャーで結果を出せず、今やマイナー暮らし。前日、メッタ打ちされたムシーナにも、年俸1100万ドルの2年契約を結び、更には、年俸2800万ドルで45歳のクレメンスを獲得するに至ったと、後手に廻った補強を指摘している。
 「岡島の成功は、レッドソックスにとっては幸運というべきものだったが、格言にもあるように、『幸運とは、計画の産物』」と同紙。予想外の岡島の活躍も含めて、松坂獲りによる相乗効果が、今季の成功の鍵だと分析している。
 レ軍のファレル投手コーチは「彼はいつも打線の援護に恵まれていない印象があるが、先発投手として、イニング数、奪三振などで高度なレベルを保っている。確かに、他の投手より勝ち星は少ないが、常に健康体でローテーションを守り、メジャーへの適応は成功している」と、勝敗数以上に松坂の総合的な貢献度を評価している。