周知の通り、夏の移籍市場は今月31日で締め切られる。開幕に向け多くのチームはほぼ戦力編成を終えているが、なお「もう一押し」の補強が欲しいクラブは結構あるものだ。

 昨季限りで契約が切れ、所属クラブがないまま現役続行に執念を燃やし続ける選手たち。GKパリューカ(40)、DFパンカロ(35)、FWデルベッキオ(34)、DFカンデラ(33)、DFユリアーノ(33)…… イタリアの場合、彼らは選手協会のサポートのもと、サッカー協会のトレーニングセンターのあるコベルチャーノ(フィレンツェ近郊)などに集い、コンディションを整えつつチームを編成し練習試合などを行いながら、声がかかるのを待つ。その多くが30代半ばのベテランたちだ。

 侮るのは早計というものだ。彼らは確かに年齢こそ重ねているが、スクデット獲得や欧州での経験、華麗な代表でのキャリアは、特に地方の弱小チームにとって得がたいものだ。
経験豊かでなおかつ格安の契約金。一考の余地は十分ある。若手の台頭を見るのは清清しいものだが、一時代を築いたベテランたちが奮起する姿もまた今季見てみたいものだ。