28日にR・マドリーを解雇されたファビオ・カペッロ監督。20年に及ぶ監督キャリアにおいて、チャンピオンズ・カップ優勝1回、欧州スーパー杯1回、伊スーパー杯4回、セリエA優勝7回、そしてリーガ・エスパニョーラでも2季指揮をとり優勝2回という史上屈指の戦績を誇る。現在、バカンスで中国に滞在中の同氏だが、イタリア紙で次期中国監督就任の可能性が取り沙汰された。

 先立って、カペッロは中国のTVインタビューに「次期代表監督候補に挙げられているのは光栄」「次の職場は、クラブチームのベンチよりもどこかの代表チームを選ぶ」と語ったとされている。R・マドリーの監督解任の報を受けて、北京の中国サッカー協会上層部は一気にオファーの動きを見せはじめているようだ。2005年から同国代表チームを率いるツー・グァング監督は目前のアジアカップに備えているが、世界的ビッグネーム監督に就任の可能性があるとなれば、その地位は決して安泰ではない。

 もちろん勝利至上主義のカペッロには、プレミア勢を筆頭に水面下で監督要請オファーが絶えないとされている。しかしここにきて、今や世界中で猛威を奮うチャイナ・マネーがリーガ優勝監督をアジアの地へ連れてくることになるかもしれない。

弓削高志