昨夏に引き続き、その去就が注目を集めているアーセナルのFWティエリ・アンリ。アーセナルとの契約延長交渉の末、昨年新たに4年契約を結んでいるが、移籍の噂はいまだ根強く報道されている。先日も、『フランス・フットボール』誌が、「アンリの代理人が、バルセロナのチキ・ベギリスタインGMと会談」と報じたばかり。しかし、この報道に対しては、アンリのマネージメントを引き受けるSEMグループが嫌悪感を露にしている。

 SEMグループのジェフ・ウェストン氏は『BBC』の取材に対し、次のように反論している。

「そのような会合は行なわれていない。まったくのデタラメだ。来シーズン、ティエリがアーセナルでプレーを続けることは、疑いざる事実だ」

 さらに『フランス・フットボール』誌は、新たに「アンリの代理人であるジェローム・アンデルソンは、バルセロナとの3年契約に合意。年俸は1000万ユーロ(約16億円)で、4年目の契約更新オプションも含まれている」と報じた。これについても、SEM側は激しく抗議。ウェストン氏は「こんなことはメディアの憶測に過ぎない。去年も、一昨年も、同じような報道が繰り返されているじゃないか」とコメント。さらに、報道に激怒したアンデルソン代理人は、『フランス・フットボール』誌に対し、法的措置を執る方向で検討を進めているという。

 移籍先を探すこと以上に、所属クラブとの信頼関係を築くことが重要な仕事となる代理人にとって、今回の報道はまさに“営業妨害”と言える。アンリ本人に加え、マネージメント会社までが「アーセナル残留」を公言しながら、いまだ報道され続けるアンリ移籍説。関係者を激怒させ続ける各メディアの報道だが、少なくとも2006-07シーズンの大半をケガで棒に振った29歳のストライカーが、いまだワールドクラスのストライカーとしてその価値を保っていることだけは間違いないようだ。