ボルトンのサム・アラダイス監督が辞任を発表した。マンチェスター・シティの次期監督候補に名前が挙がっていた指揮官は、土曜日に行なわれたチェルシー戦後の記者会見を欠席するなど、その去就が注目を集めていた。8年間の長期政権で、ボルトンをプレミアリーグの強豪にまで育て上げたアラダイスは、シーズン残り2試合の時点で辞任を決断した理由を次のように語っている。

「これまでで最も辛い決断だった。しかし、ボルトンにとって、今こそ新たな時代を迎えるべき時期なんだ。それには、監督が代わる必要がある。シーズン終了を待たずに辞任することは、クラブとも合意の上だ。後任監督にとっても、来シーズンに向けた準備をする期間が生まれると判断したんだ。私はこの3シーズンで2度、クラブを欧州の舞台に導いた。だからこそ、辞任するには一番いいタイミングだと思ったんだ。ボルトンには、アカデミーから輩出された素晴らしい選手と、有能なマネージメントスタッフがいる。そのおかげで、今後も上昇カーブを描き続けるだろう。オーナー、会長、チームスタッフ、選手、そしてすべてのファン。クラブに関わるすべての人々の幸運を願っている」

 一方、2週間前から辞任の意向を聞いていたというボルトンのフィル・ガートサイド会長は、アラダイスの退団を惜しむとともに、その功績を称えた。

「アラダイスの辞任は個人的なもので、我々はそれを受け入れた。彼が指揮した8年間で、クラブは過去にない成功を経験した。監督に就任した1999年から、彼はよくクラブをリードしてくれた。彼がクラブの基盤を作り上げてくれたおかげで、我々は今後も成長を続けることができる」

 2006年ドイツ・ワールドカップ後には、スベン・ゴラン・エリクソンの後任として、イングランド代表監督の候補としても名前が挙がるなど、アラダイスがボルトンで残した功績は誰もが認めるところ。“ビッグ・サム”の愛称で知られる実力派監督の新天地での活躍が期待される。