井上尚弥【写真:Getty Images】

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フィッシャー編集長も興奮「彼は間違いなく最高のパンチャーだ」

 ボクシングのワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)バンタム級準決勝でWBA王者・井上尚弥(大橋)はIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を259秒TKOで下した。ボクシング界最大の権威を持つ米誌「リング」の編集長は、“126秒失神KO勝利”を収めたWBCヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー(米国)の衝撃を上回ると高評価している。

 昨年10月のWBSS初戦でフアン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を70秒で倒し、リング誌の年間最優秀KO賞を獲得した井上。今回のKO劇もインパクト絶大だった。

 リング誌のダグ・フィッシャー編集長がQ&A企画に登場。「イノウエが最強と思う私は間違っているのか? クロフォードもスペンスもGGGも愛しているが、彼は私の心を勝ち取ってしまった」という読者からの質問に対して、こう答えている。

「イノウエがファイト界で現在最高と思うことは間違いなのか? それについて、私は議論しない。彼は間違いなく最高のパンチャーだ。そして、エリートボクサーの中で最もダイナミックな存在だ」

「彼のような爆発的な興奮を呼び起こすファイターはワイルダーの他にはいない」

 同誌選定のパウンド・フォー・パウンド最新版で7位から4位にジャンプアップした井上を、フィッシャー編集長はこう評価していた。

「そして、彼のような爆発的な興奮を呼び起こすファイターは他にいない。デオンテイ・ワイルダーを除いては」

 ワイルダーは19日の同級4位ドミニク・ブレアジール(米国)に初回KO勝利で、9度目の防衛に成功したばかり。この試合では初回2分過ぎに戦慄の右ストレート一発で挑戦者を失神させていた。

 だが、フィッシャー編集長は一言加えることを忘れなかった。「私の考えでは、イノウエはより優れた対戦相手に対してやってのける」と、ロドリゲスとブレアジールという対戦相手のクオリティに差があったと指摘している。

 強い印象を残した井上のKO劇。「ボクシングの聖書」と呼ばれるリング誌で、井上は「KO・オブ・ザ・イヤー」の2連覇の偉業を達成するのか。その可能性は十分だ。(THE ANSWER編集部)