J1で先発出場を続けるGK大迫敬介(広島)

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[4.16 練習試合 U-20日本代表 1-1 全日本大学選抜]

 U-20日本代表GK大迫敬介はJ1首位を走るサンフレッチェ広島の正守護神として、充実の時を過ごしている。プロ2年目の今季は開幕節で待望のJ1デビューを飾ると、リーグ戦に加えてACLの舞台にも立ち、公式戦9試合に出場。安定したセービングを見せ、うち7試合でクリーンシートを達成している。

 試合に出場し続けることで、感覚は研ぎ澄まされてきた。2018年の公式戦出場数は「0」。代表活動で試合勘を取り戻していたが、今は違う。「去年とは違った感覚があります」と、生き生きとした表情で話した。

「試合を積むごとに試合勘だったり、今までにない感覚がある。そこはすごく成長している部分かなと思うし、こうして代表に入った時もスムーズにゲームに入れる感覚があります。昨年は90分を通して試合をするのが代表にきて、ということが多かったので、難しい部分もありました」

 そうした背景から、昨年10月にインドネシアで開催されたU-19アジア選手権は正守護神の座を1学年下のGK谷晃生(G大阪)に明け渡した。しかし、半年前から状況は一変。順当にメンバー入りすれば、“1番手”でU-20ワールドカップに臨むことになるだろう。

 千葉合宿では練習試合の出場は見送られたが、U-20W杯で採用される新ルールの講義を受け、変更点の理解を深めた。ルールが変わるゴールキックの部分については意欲的に改善点を話し合い、しっかりと1か月後を見据えている。

「メンバーに入ったらGK3人で切磋琢磨して、どの立場になるかは分からないですけど、自分がゴールマウスを守れるようにアピールと準備をしていきたいです」。前回大会も2、3学年上のU-20日本代表に“飛び級”で食い込み、当落線上にいた逸材GK。プロ1年目は壁にぶつかったものの、数年前から東京五輪の有力GK候補に挙げられてきた。

「世界大会をこの年代で経験することで、今後のサッカー人生も大きく変わると思う。東京五輪、A代表に向けても大会でしっかり結果を残してアピールしていきたい」。今をときめく19歳には大会の“先”も期待され、一気に次のステージが見えている。

(取材・文 佐藤亜希子)