橋下氏が安倍自民党と一線を画し、野党新党に動いた決定的理由については、『文藝春秋』(11月号)にもヒントがあるという。橋下氏は『安倍首相への忠言』という特別寄稿を寄せているのだが、その中で都道府県制度から全国を9〜10のブロックに分けて地方分権を進める道州制を改めて強く主張しているのだ。

 橋下氏は、今の安倍政権は中央集権の度合いを強めすぎていると警告。本来は地方レベルの森友、加計学園問題が国家レベルの疑惑となり、政権を苦しめているとも指摘している。
「橋下氏に言わせれば、今の政権下では半永久的に道州制は無理。結果、日本が行き詰まる。だから道州制可能な政権樹立を目指すのが橋下論です」(同)

 表向きは政策だが、表裏一体で“カネと人”にも橋下氏はぬかりない。
「国民民主党の金庫には、旧民進党資金などで100億円説も飛び出すほど潤沢にある。このカネに加え、衆参59人の国会議員と全国網、バックには連合がいる。豊富なカネと人、支持率だけない国民民主党を巻き込んだ橋下新党なら勝てると、算盤をはじいている」(全国紙政治担当記者)

 安倍政権の強引な国会運営や沖縄・辺野古強行埋め立て問題で支持率は一気に5〜6%減。自民党内からも「統一地方選、参院選は大丈夫か」という不安の声が噴出し始めた。
「橋下氏がトップで小沢氏が控える新党が動き出せば、国民の期待は一気に橋下新党に移る」(政界関係者)

 政界再編へ猪突猛進。