横浜FCの同点ゴールを決めたDF北爪健吾

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[10.21 J2第38節 横浜FC1-1大宮 ニッパツ]

 勝ち点で並ぶ大宮アルディージャとのJ1昇格を争う一戦、後半31分に決まった横浜FCの同点弾はDF北爪健吾の右足が導いた。「パスを選択しないでシュートの意識を持てた積極性」とゴールの要因を述べた背番号14の活躍で、12年ぶりのJ1参戦を見据えるクラブはプレーオフ圏内から引き離されるという窮地を免れた。

 ゴールに迫る気迫は前のプレーから見せていた。1点ビハインドで迎えた後半23分、MF佐藤謙介のドリブル突破で好機を作った横浜FCは、ゴール前での波状攻撃を展開。「取りに行かないといけない状況だったので、ゴール前に人数をかけたいと思った」。そう考えた北爪は右ウイングバックの位置からPA内へとダッシュ。FWイバとのコンビで立て続けにシュートを放った。

 混戦に阻まれて得点には結びつかなかったが、後半31分、ついにその姿勢が報われた。右ハーフスペースでこぼれ球を拾い、一度は相手の股抜きを狙って失敗するも、跳ね返りの浮き球に迷わず右足を振り抜いた。「何発もチャレンジしてプレッシャーをかけるという意味では良い形。転がって来た時はシュートだけ。ふかさないようにって」。力強く放たれたドライブシュートがネットに突き刺さった。

「ああいうシーンを増やせれば脅威になる」という果敢な攻撃参加が結実しての同点弾。内容的には勝ち点3を取れたとも言える一戦だったが、北爪はここでの勝ち点1を「サポーターの期待も感じていたので、何とか負けなくて良かった」とポジティブに受け入れる。

 シーズン序盤を「一時期は怪我人が多くて勝てない時期が続いて、自分のパフォーマンスも良くなかったけどそこから持ち直した」と振り返ると、「ここから持ち直して、自動昇格、プレーオフに向けてやっていきたい。チームの状態を上げていって、次に勝ち点3を取ることができれば、あそこで負けなくて良かったということにつながるはず」と前を見据えた。

(取材・文 竹内達也)