高校卒業後、吉本の養成所NSCに通ったハリウッドザコシショウさん。その同期は“花の11期”と呼ばれ豪華なメンバーが揃う。「今でも食事に行く」という同期のケンコバとの会話から、古畑任三郎のものまねの「ハンマーカンマー」が誕生した。(全3回の3回目/#1、#2)

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中川家、陣内、たむけん、ケンコバ……花の11期

―― NSCで同期だった人たちが先にどんどん売れていったじゃないですか。どう思ってました?

ザコシショウ 腹が立ちますよ、本当。でもやっぱり面白いですからね。“花の11期”って言われるぐらいで。だってメンバーが中川家、陣内(智則)、たむらけんじ、ケンドーコバヤシ……、それで僕。いまだに残っているほうですよね。芸能界を動かしているようなメンツじゃないですか。得意なもんが、それぞれ違うっていうのがあるんですよね。僕だったら瞬発力があるギャグやネタ。ケンコバはトークがメイン、陣内はMCが得意で、たむらは食レポみたいな。中川家はマルチですしね。どっちも頭おかしいですけど。ハハハハ。

いまでも飯を食いに行くのはケンコバくらい

―― いまも11期で集まるんですか。

ザコシショウ いやいや。ないですね。ケンコバと収録が一緒だったら、飯は食いに行きます。恥ずかしいみたいですよ、あいつら。ケンコバに「お前と一緒に行くぐらいだ」って言われます。「たむらとかと一緒に行くの?」って聞いたら、「いや、行かない。なに話していいかわかんねえから」って。(中川家)礼二は礼二でね、ケンコバと行きたいんです。でもなんか言えないんですって。まあ陣内とたむらは仲がいいらしいですけどね。

―― この間の『ドキュメンタル』(シリーズ5)では本当に(心斎橋筋)2丁目劇場の同窓会みたいなメンバーでしたね。 

ザコシショウ あれ見ました?

―― 見ました。最高でした!

ザコシショウ ケンコバ、陣内、たむけんと同期のメンバーが3人いて。たまたま僕の同期だったから良かったですけど、ほかのメンバーからしたらたまったもんじゃないですよね(笑)。たとえば、NSC8期の(千原)ジュニアさん、原西(孝幸)さん、なだぎ(武)さん、木村(バッファロー吾郎A)さんとかが揃った中で僕1人入ったら、相当やりにくいと思いますよ。

―― 最後のほうでケンコバさんとやり合うシーンは、すごく感慨深かったです。

ザコシショウ 俺もエゴサーチが好きでそういう感想よく見るんですよ。でもやってるこっちは、とにかく笑うのを耐えなきゃいけないって必死ですから。

『ドキュメンタル』と地上波テレビの違い

―― 地上波のテレビと『ドキュメンタル』のような配信に出演するのでは、違いを感じましたか。

ザコシショウ 感じましたよ。『ドキュメンタル』は全部で6時間。それを5話分に編集する。5話もあるからやりたい放題やっているんですよ。カットされているところもあるんですけど、ほとんど時間調整だけだと思うんですよね。地上波は制限があるから、ディレクターも「ああ、ここ使えないな」と切るじゃないですか。

 だから、「ザコシが地上波出たらクソつまらないな」「こっちでファンになったけど、地上波を見てやっぱり幻滅だわ」みたいなことを言う人はいるんですけど。僕はどっちも手を抜かずにやっているんですよ。アソコを出す、出さないはありますけどね。ハハハ。

『水曜日のダウンタウン』お経がハンマーカンマーに聞こえる説

―― 地上波だと最近は『水曜日のダウンタウン』によく出られています。

ザコシショウ あれはやりやすいですね。『水曜日のダウンタウン』の総合演出の藤井(健太郎)さんの番組って、考えてみたらだいぶ前から僕、お世話になっているんですよ。『キリウリ』とか『リンカーン』とか。当時は知らなかったんですけど、よくよく調べてみたら藤井さんが演出なんですよね。だいぶ前から僕のことを面白いと思って使ってくださっていたのかなって。藤井さんは芸人の目線になってくれるからスゴい。「このロケ、イマイチだったかな」みたいなことを思うときもあるんですけど、オンエアを見たら面白くなっている。ほかの番組だと、目も当てられなくなっていたりとかあるんですけどね。

―― 最近だとどの回が印象に残ってますか。

ザコシショウ 和尚さんのヤツですね。お経が「ハンマーカンマー」に聞こえるみたいな説(「坊主のお経、途中からハンマーカンマーになっていても気付かない説」)。あれが面白かったですね。あと、「替え歌(最強トーナメント)」は毎回好きで。たまに録画したやつ見ます。あとクロちゃんと一緒にやったヤツも面白かったな。頭にろうそくを乗せる。

―― 「丑の刻参りの頭にロウソクスタイル、熱すぎて呪いどころじゃない説」ですね。

ザコシショウ 地獄だった。ロウソク、バカ熱かったよ。フハハハハ。

『エンタの神様』はね、ずっと毛嫌いされているんです

―― 今後、出てみたい番組とかはありますか。

ザコシショウ 『エンタの神様』はね、ずっと僕、毛嫌いされているんですよ(笑)。だから1回出てみたいですね。『ENGEIグランドスラム』も出たことがない。賞レースで優勝したら大概オファーがあるんですけどね。『爆笑レッドカーペット』もそう。オーディションに行っても受からないんですよ。『あらびき団』の第一人者みたいになっているっていうのがあるかもしれないですね。プロレスでも新日本のレスラーは全日本には上がれないっていうのがあったじゃないですか。だからたぶん、僕が『エンタ』とか『レッドカーペット』とかに出たら、「おお!」ってなると思うんですよね。当時のジャンボ鶴田が新日本のリングにあがったとかそういう激震みたいな感じに……。ならないか? でも『エンタ』と『レッドカーペット』と『あらびき団』、全部に出てる人、いないですもんね。

―― 自分が出ていない番組で好きな番組とかってありますか。

ザコシショウ 終わっちゃいましたけど『とんねるずのみなさんのおかげでした』は好きでしたね。あれも出てみたかったですね。とんねるずさん絡んだことないんで。

田村正和さんの『古畑任三郎』もう1回見たかった

―― 基本的にいまはお笑い番組を見るっていう感じですか。

ザコシショウ そうですね。ほぼほぼお笑いですけど、ドラマも見ます。『半沢直樹』はずっと見ていました。1年間分のものまねを単独ライブで全部おろすから、ドラマで面白いキャラクターがあったらピックアップするんです。今年はあんまりいないんですよね。ちょっと前だと、織田裕二さんのやつ。びっくりしたんですよ。織田裕二さんが沙羅駆という、『相棒』の杉下右京みたいなキャラやってた。

―― 『IQ246』ですね。

ザコシショウ 制作発表記者会見があったんですけど、普通そういうときって織田裕二さんでくるじゃないですか。でも、そのときもう、沙羅駆でしゃべっていましたからね。フハハハ。「え、いま織田裕二さんなんですよね」って聞かれて、「そうですけど、もうしゃべり方がとれないんですよ」みたいな。そのキャラは面白かったから、その『IQ246』はよく見ていましたけれど。

―― 最近はなかなか古畑任三郎のようなキャラは出てこないんですね。

ザコシショウ 引退されましたけど、田村正和さんの『古畑任三郎』はもう1回見たかった。ファイナルシーズン以降の1話だけでいいから。すごく好きなんですよ。『相棒』の杉下右京もすごく好きなんで、古畑も右京もネタでやっているんですけど、どっちも性格悪いじゃないですか。でも古畑のほうがね、性格が悪い気がするんですよね。もうすべて分かっているのに、あえて「んんん〜?」みたいなことを言うじゃないですか。あれがね、すごく好きなんですよね。

「こいつ、『ハンマーカンマー』言っとるやないけ!」

―― 「んんん〜?」を「ハンマーカンマー」と言語化したのは、どういうひらめきだったんですか。

ザコシショウ あれはね、G★MENS時代に大喜利して、大御所の芸人さんに見てもらうっていうビデオを撮ってたんですよ。僕が大喜利で変な答えをして、司会者がチャンバラトリオの南方英二師匠に「どう思いますか」って振ったら、南方師匠が困ったんですよね。

 悩んで「ううん、なんちゃらなんちゃら」ってもぐもぐ言ったんですよ。そのビデオをケンコバと「家に帰って見ようや」って2人で見た。そうしたらケンコバがね、「こいつ、『ハンマーカンマー』言っとるやないけ!」って(笑)。そこからですね。「悩む=ハンマーカンマー」ってなって。それでしばらくしてピンになってから事務所ライブで、古畑のものまねをしようとして「でもなんか、パンチが足らないんだよね」って後輩に相談したら「古畑、悩むから、悩む感じをちょっと出したらどうですか」って言われて。「待てよ、悩むって言ったらハンマーカンマーだな」ってなったんですよ。

―― そんな経緯が(笑)。

ザコシショウ それを1日で作って、もう30分ぐらいで「できた!」ってなって。そりゃすぐできますよね、だって出てきて「ハンマーカンマー」っていうだけですから(笑)。そして事務所ライブでやったらウケて。その時、たまたま別の芸人を見に伊集院光さんが来てたんですよ。それで「ハンマーカンマー」を見て、衝撃を受けたらしくて、ラジオ(『深夜の馬鹿力』)で「ザコシショウっていう芸人がいてね。似てねえ古畑のまねを、延々『ハンマーカンマー』って言っているのがね、すごく面白かったんだよ」って言ってくれたんですよ。

自分のやりたい放題できる冠番組が欲しい

―― 「ハンマーカンマー」のきっかけはケンコバさんだったと。では最後に、今後テレビでやってみたいこととかってなにかありますか。

ザコシショウ なんだろうな? やっぱりずっと前から、どうせ芸人になるんだったら、自分の冠番組とかやりたいなと思っていて。それに近いことはDVDで出してたりするんですけど、テレビでできたらなとは思いますけどね。むちゃ気が狂ってる企画ですけど。ハハハ。30分とか地方局でも、なんだったら15分でも。そういう自分のやりたい放題できる番組が、表現できる場があればなと思いますね。

(てれびのスキマ)