中国メディアが日本のメーカーが開発した、一見なんの変哲もないように思えるが、実際に使ってみるとその機能に軽く感動を覚えるような文具の一例を紹介してる。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 中国メディア・東方網は26日、「中国と日本の文具、細かい部分を見比べた時にどれだけの差があるのか」とする記事を掲載した。

 記事は「世の中に流通している一般の中国産文具は、デザインに目新しさがないうえに、核となる技術はいまだに輸入に頼っている。一方で隣国の日本は文具においてわれわれのはるか先を進んでおり、『文具大国』の称号を得ている。三菱、ゼブラ、パイロットなどの文具メーカーは、みんながよく知っている。そして、年に1度行われる文具対象では、創意あふれる様々な文具が登場し、人びとをあっと言わせるのである」とした。

 そのうえで、日本のメーカーが開発した、一見なんの変哲もないように思えるが、実際に使ってみるとその機能に軽く感動を覚えるような文具の一例を紹介してる。

 まずはコクヨが開発した、針のいらないステープラー「ハリナックス」を紹介。「やっとのことでステープラーを見つけたが、針が入っていなかったということはないだろうか。日本人は、エンジニアを集結して針がいらないステープラーを作ってしまったのだ」とした。

 続いては、オルファのカッター「キリヌーク」だ。「ペンナイフで紙を切ろうとすると、下敷きにしていたノートまで一緒に切ってしまうことがよくある。そこで日本のデザイナーは、世界で一般的な紙の厚さを調査し、無数の紙を使ってテストしたうえで刃先の長さの範囲を設定し、本当に一番上の1枚しか切れないカッターを実現したのである」と紹介した。

 さらに挙げたのは、ゼブラのシャープペンシル「デルガード」。「私たちが、すぐに折れてしまうシャープペンの芯にイラついているとき、日本人は芯が折れることのないシャープペンを作っていた。最初にノックして心を出せば、あとは使用状況に応じて自動で芯が出るうえ、折れないのだ」と説明している。

 記事は最後に、「日本について言えば、文具の細かやな機能も人の品格を表している。高い品質と優れた使い心地が、もはや日本の民族全体が求める精神的な高みなのである。日本の文具産業は集約度が高いのに対し、中国の文具工業市場はバラバラの状態だ。ただ、リスクはチャンスにもなるわけで、国産文具もまさに転機を迎えようとしているのかもしれない」と評した。

 派手なものは毎日使っているとだんだん飽きてくる。奇抜なものは日常使いには合わない。日常的に使えない機能は、使っているうちにだんだん邪魔になってくる。日常使いの文具に求められるのは、確かな品質と実用的な機能性、そして、使っていくうちに愛着が沸いてくるようなデザインだ。消費に対する意識が高まりつつある中国でも、もはや「とにかく使えればいい、壊れれば捨てればいい」という考え方は過去のものになり始めているのではないだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)