大坂なおみ【写真:Getty Images】

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コーチを務めるベイジン氏が、大坂躍進のカギをWTA公式サイトにコメント

 テニスの4大大会の第2戦、全仏オープンが現地時間27日に開幕する。女子では世界ランク21位の大坂なおみ(日清食品)が初の4大大会制覇に挑む。大坂の今季の快進撃を支えるサーシャ・ベイジンコーチは「ナオミはクレーコートでの脅威になる」と自信をのぞかせている。WTA公式サイトが伝えている。

「コーチのサーシャ・ベイジン“ナオミ・オオサカは満足していない。向上の余地が沢山ある”」

 WTAは公式サイトでこう見出しをつけて特集している。

 同コーチは、大坂の全仏での躍進のカギとして2つのポイントを挙げている。「少しの自制心」と「狙いすぎないこと」。この2点を徹底することができたのなら「クレーでの脅威となる」と話している。

「もしナオミが上手にサーブして、狙いすぎず、自分を保てば、彼女はどのサーフェスでも脅威になる」

「私の仕事は彼女がそうできるように助け、サポートすること。シーズンを美しくスタートできた。これ以上はないくらいに。でもナオミは満足していない。彼女は今も向上しようとしている。特にクレーでね。彼女が向上できる余地は沢山ある」

 ベイジンコーチはこう話している。大坂は3月のBNPパリバ・オープンで強豪を次々と破り、ツアー初優勝を飾った。4大大会に次ぐ「プレミア・マンダトリー」での優勝は、日本人初の快挙だった。

 一方で、これまでクレーコートは決して得意ではなかった。直近のイタリア国際でも、BNPパリバで破った世界ランク1位のシモナ・ハレプ(ルーマニア)と2回戦で当たり、12ゲーム連取される完敗だった。

「遠くは見ない。日々正しい選択ができれば結果はついてくる」

「だから我々は日々特定のことに取り組んでは、彼女がどんな感覚を得たか確かめている。彼女の動き全体についても取り組んできたし、ボールの打ち方についてもだ。ハードコートから少し修正しないといけないからね」

 こう振り返っている。また大坂と綿密にコミュニケーションを取り、試合ごとに意見を一致させてきたともコメントしている。

「遠くは見ないようにしよう、勝ったからって相手を軽視しないようにしよう。日々正しい選択ができれば結果はその先にあると伝えた。彼女はそういったものに集中したほうがいい。コントロールできるものに集中したほうがいい。今のところ彼女はそれができていると思うし、他の全てもついてくるだろう」

 同コーチは目の前の一戦一戦に全力投球することが、最良の結果につながると大坂に伝えてきたようだ。しばしば精神面の弱さを指摘されることもある20歳。本来の力を発揮した時に爆発的な強さを誇るのは、春先の快進撃が証明している。

 これまでは決して得意ではなかったクレーコートでも、集中力をもってのプレーが継続できれば、上位進出は間違いない。ベイジンコーチはそう確信していた。(THE ANSWER編集部)