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確実に資産を増やす方法はあるのでしょうか。「プレジデント」(2018年1月15日号)では、10人の識者に「知っておきたいお金のキーワード」について聞きました。第9回のテーマは「格安スマホプラン」です――。(全10回)

■これがiPhoneで安く済ませる方法

いまや格安スマホ会社の料金差はほぼありません。乗り換えるなら、料金以外であなたが何を重視しているのかを考えましょう。

ネックになる筆頭は通信速度。格安スマホは三大キャリアの回線の一部を借りていますから、アクセスが集中する時間帯は通信速度が遅くなります。昼の12〜13時や夕方に使用する頻度が高いなら、softbankと全く同じ回線を使っているY!mobileか、KDDI系のUQ mobileがおすすめです。

iPhoneを使いたいなら、Y!mobile、UQ mobile、BIGLOBEモバイルはiPhoneSEとiPhone6sをSIMカードとセットで購入できます。楽天モバイルも取り扱いがありますが、新品ではなく、メーカーが厳格なプロセスで再整備し直した「メーカー認定整備済iPhone」です。

iPhoneXなど、別の機種を使いたいなら、AppleストアでSIMフリーの本体を買って、好きな格安スマホのSIMカードを入れれば、どの企業でも使えます。新しい端末にしたくなったら、本体を中古店に売るのがiPhoneで安く済ませる方法です。ただし、自分でSIMカードを挿入しなければならないので、ある程度仕組みを理解している必要があります。

動画や音楽をスマホで見聴きすることが多い場合は、BIGLOBEモバイルの「エンタメフリー・オプション」なら、通信料を気にせず定額で対象の動画、音楽サービスのデータ通信が使い放題です。

■解約しやすいのはイオンモバイルとmineo

家族全員で同じ格安スマホ会社に乗り換えるなら、通信容量をシェアできる会社を選びましょう。1人が契約して複数枚のSIMカードを人数分で分けて使うタイプでは、IIJmioの「ファミリーシェアプラン」、DMM mobileの「シェアコース」、BIGLOBEモバイルの「シェアSIM」などがあります。当月分の余っているデータをシェアできますが、1人が使いすぎると全員に速度制限がかかります。一方、mineoの「パケットシェア」は個人個人がSIMの契約をして、前月の余った分をシェアできるので、その心配がいりません。

家族全員を同じ会社にして各種ポイントを貯める手もあります。楽天カードを持っているから、楽天モバイルに、Tポイントを貯めたいからトーンモバイルに、ANAマイルを貯めたいからIIJmioに、といった具合です。

電話をかける頻度が高いなら、かけ放題プランのある会社にするか、Y!mobileは1回の通話が10分までは何回かけても無料。ビジネスでは難しいのですが、家族間や親しい友人間だけなら、通話はLINEの通話機能を使用し、SIMカードはデータ専用SIMで契約すれば、音声機能付きSIMカードで契約するよりも安くあがります。

解約をしやすい会社を選ぶ方法もあります。三大キャリアの「2年縛り」同様、音声機能付きSIMを利用している場合、期間を見極めないと違約金をとられます。多くの格安スマホ会社では1年縛りが多いのですが、イオンモバイルとmineoは、この縛りがありません。ただし、MNP(会社を変えても同じ電話番号を引き継ぐこと)にすると各社とも手数料が発生します。電話番号が変わってもいいなら、手軽といえるでしょう。

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▼ニーズ別・石川氏のおすすめ

・通信速度が速い
Y!mobile
UQ mobile


・SIM付きiPhoneが買える
Y!mobile
UQ mobile
BIGLOBEモバイル
・データ通信量の制限がない
BIGLOBEモバイル「エンタメフリー・オプション」
・通信容量を分けられる
IIJmio「ファミリーシェアプラン」
DMM mobile「シェアコース」
BIGLOBEモバイル「シェアSIM」
mineo「パケットシェア」
※掲載は一例で他社でもプランはあります。
・ポイントが貯まる
楽天ポイント→楽天モバイル
Tポイント→トーンモバイル
ANAマイル→IIJmio
※掲載は一例で他社でもポイント付与サービスはあります。
・音声SIMで違約金がない
イオンモバイル
mineo
※ただしMNPの場合は手数料が必要。

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※Y!mobileはMVNOではありませんが、三大キャリアではないため、本稿では格安スマホとして扱っています。

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石川 温(いしかわ・つつむ)
スマートフォン、携帯電話ジャーナリスト
「日経TRENDY」編集記者を経て独立。現在、ラジオNIKKEI「石川温のスマホNo.1メディア」でパーソナリティを務め、ニコニコチャンネルのブログマガジン「石川温のスマホ業界新聞」を担当。著書に『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』ほか。

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スマートフォン、携帯電話ジャーナリスト 石川 温 構成=干川美奈子 写真=iStock.com)