「ふだんから花粉症の薬を飲んでいるんですが、この間、出張で新幹線に乗るため、酔い止めを一緒に飲んだんです。そうしたら、眠くて仕方なくて。ボーッとしながら上司の話し相手をしなければならず、苦痛でしたよ」

 そう愚痴をこぼすのは、40代のサラリーマン、Aさん。鼻炎用薬で眠気を感じることはしばしばだが、この季節は手放すわけにはいかない。

「鼻炎用の市販薬の多くには、抗ヒスタミン剤という成分が使われています。この抗ヒスタミン剤には第一世代と第二世代があり、第一世代のものは、副作用として強い眠気を引き起こすものがあります。

 Aさんが飲んだ酔い止めにも、同じくこの抗ヒスタミン剤が配合されていたのでは。このような飲み方は、成分が重複して、副作用が強く出る恐れがあります」

 こう話すのは、公園前薬局(東京都八王子市)の薬剤師・堀美智子さん。抗ヒスタミン成分は、鼻炎用薬だけでなく、多くのかぜ薬にも含まれている。

 また、アレルギー症状を抑える効果があるため、湿疹などを治す飲み薬にも配合されている。一見、関係なさそうな鼻炎の薬と湿疹の薬でも、抗ヒスタミン成分を重複して摂取してしまう可能性があるのだ。

 鼻炎薬とアレルギー薬、鼻炎薬と咳止めなどの飲み合わせにはくれぐれも気をつけよう。

(週刊FLASH 2018年3月27日・4月3日合併号)