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不倫には重大リスクが伴う。だが、それでも既婚者との交際を進める人がいる。そのとき泥沼に引きずり込まれてしまうような「最悪の相手」とはどんな人間か。これまで数千件の相談を受けてきたという男女問題研究家の露木幸彦氏が、「不倫上手な男性」と「不倫下手な男性」の違いを解説する――。(前編、1〜10)

■不倫上手な男性が「自ら女性に交際を迫らない」理由

行政書士で男女問題研究家の私はこれまで数千件の不倫や離婚など男女のトラブルの相談を受けてきました。その経験から、相談者と話しているとくっきりと見えてくるものがあります。そのひとつが「不倫上手」か「不倫下手」か、ということです。その行為の是非は別にして、大きなトラブルを抱えることなく男女の交際をできる人を私は不倫上手な人ではないかと考えています。

不倫は堂々と胸を張れる行為ではありません。よって、不倫上手だからといって、ほめるわけにはいきません。ただ、不貞行為が発覚したら一大事となることを百も承知で交際するのですから、それを無理やり止めることもできません。いい大人ですし、違法行為ではないからです。であれば、当事者としては、どうせ不倫するなら楽しい時間をすごせる相手のほうがいいはずです。

今回は、男性における「不倫上手」と「不倫下手」の違いについて、私の知見に基づいて比較していきます。

▼「不倫という形でもいい女性」を選択する男

まず「不倫上手」の男性です。このタイプの多くは、仕事、家庭、不倫のバランスをとって成立させる“恋愛偏差値”の高い人という印象があります。そして、十中八九、仕事がデキる人です。会話をしていると、頭の回転の速さとクレバーさが伝わってきます。聞き役もこなせますし、言うべきことは簡潔に述べることができます。もちろん、女性を笑わせることもでき、ほめ上手です。ルックスや体形は必ずしもいいとは限りませんが、それを補って余りある包容力たっぷりな人間的な魅力を備えています。

常に気持ちのゆとりのようなものがあり、時間の管理が極めて上手です。仕事をやりくりしてデートの時間を捻出するのが得意なので、複数の女性を同時に愛することができ、仕事で忙しい場合でもメールやメッセージをマメに返信します。

仕事で成功をおさめていることが多いので、当然、肩書や地位も高く高給取り。そんなアドバンテージに自然と多くの女性が引き寄せられるのでしょう。そのため、「(相手に妻がいる)不倫という形でもいい」と考える女性を選択すればいい。自分から強引に交際を迫ることはしません。妻子の存在も隠す必要はなく、「私と奥さん、どっちが大事なの?」「奥さんと離婚して私と一緒になって!」などと言い出す女性は遠慮したり、切り捨てたりします。なぜなら、「出会い」が多いので1人に執着する必要はないからです。

また「類は友を呼ぶ」ということでしょうか。周囲の人間は不倫経験が豊富な人が多く、アリバイ工作や隠蔽工作を「お互いさま」で手伝ってくれるようです。ズルいのですが、リスクマネジメント力は高いといえるでしょう。

不倫は恋愛の一種と割り切って、ちゅうちょせず女の子を誘う“軽薄者”の側面がありますが、知能犯であり、生まれもって女性扱いの勘所を押さえているからか、最終的にお別れをしても大きなトラブルにもなりにくいのです。

■ひっかからないために知る、不倫下手な男の特徴

一方、「不倫下手」の男性はどうでしょうか。

決して仕事ができないわけではありません。ただ、成果にはムラがあり、少しでも実績が出ると周囲に向かって「俺ってすごい」というエピソードを大げさに自慢するケースが多いようです。基本、人の話を聞くより、話すほうが好きです。周囲の人が見たその人に対する評価よりも自己評価のほうが圧倒的に高く、女性に対しても上から目線になりがちで、しばしばひんしゅくを買います。

容姿や外見は「モテないタイプ」とは一概には言えませんが、不倫上手な男性とは対照的に、どこかガツガツした感じが言動から感じられてしまうので、交際期間は短期に終わることも珍しくありません。

また、「仕事、仕事」の毎日だからでしょうか。家庭をあまり顧みないので、妻との関係は良好とは言えず、慢性的なセックスレス状態の男性は多いです。その分、好みの女性に対して強引に口説こうとする傾向があります。結果的に職場にも自宅にも居場所がなく「不倫」に現実逃避するイメージです。

仕事やプライベートで知り合った女性との交際が「ワンチャン(脈)あり」と見るや、すぐさまメールやメッセージ攻撃です。もともと女性との出会いの場は少ないので、彼女(不倫相手)のことを千載一遇のチャンスだと思い込み、気を引こうといきなり高級ブランドのプレゼントを贈ったり、高級ホテルを予約したりして熱烈アプローチをするのです。一時的に効果が出ることもありますが、交際に至るまでの費用対効果が悪い特徴があります。

妻子の存在を知られたら女性に逃げられると考えているため、交際中は、家庭持ちだということを絶対秘密にします。そして、既婚だと気付かれると「嫁にバレても君のことを守るから安心して」「妻より君のほうが大事だよ」「奥さんとは離婚するつもりだから」などと言って必死につなぎとめようとします。これがその場では功を奏することもありますが、多くのケースを見ると、あとでその発言がネックになり、揉め事に発展します。

未婚女性の中に一定割合いる「略奪愛思考」の女性がそれを聞けば、「あなた(が離婚して自分と結婚するの)を信じる」となり、不倫が泥沼化するリスクが高まるのです。

▼ワルになりきれない善人的なところもある

案外、ワルになりきれない善人的なところもあり、妻との関係が冷え切っていることや、自分だけ外で遊んでいることに後ろめたさを感じている男性もいます。だからでしょうか、妻に「浮気をしているのではないか」と気付かれた時には、激しく動揺する気持ちを必死に押し殺し、ウソを並べ立てます。これが裏目に出ます。

そもそも人生における恋愛経験値が低いので、女性といい関係になるとウキウキして、それが顔や行動に出ます(本人は無意識)。妻というのは嗅覚が極めて優れていますから、“異変”をすぐに察知します。だから、この手の男性がいくらシラを切っても、ウソはバレバレで、もはや離婚は不可避、という末路をたどります。

これらは私が相談を受けた事例や取材をした事例に基づいているので、偏った部分があるかもしれません。ただ、何らかのお役に立つと信じて、両者の違いをさらに掘り下げてみたいと思います。今回は23項目にわたって比較検討してみました。この前編では1〜10までをご紹介します。

■不倫上手な男性vs不倫下手な男性の徹底比較23

(※不倫上手=上手、不倫下手=下手)

1.妻に対する罪悪感はあるか?

上手:あまりない(不倫は恋愛の一種で特別なことではない)
下手:とてもある(夫婦不仲の原因が自分にもあると思っているから)

2.どんな印象の人物か?

上手:自信にみなぎっている(仕事は充実し、家庭では妻子に愛されているから)
下手:心に余裕がない(家庭に帰れば、また地獄のような生活が待っているから)

3.不倫を発展させる気があるのか?

上手:現状のままでいい(妻との結婚生活も、彼女との恋愛関係も続けていく)
下手:人生を新しくやり直したい(妻との離婚、彼女との再婚も視野に交際を続けたい)

4.女性に対する口ぐせとは?

上手:「◯◯(相手の女性の名前)のために」(本当は自分が一度行ってみたかった店だが、「○○のために予約したよ」と言う)
下手:「俺ってすごいだろ!」と価値観を押し付けたり、大声を出したり、声が裏返ったりすることが多い。会話のキャッチボールが苦手。自分のプライドや満足感が最優先。

5.どんな価値観・性格の人間か?

上手:器用でマメだが、ケジメに欠ける(複数の女性に優しくし愛することができる、目的も発展性もない関係を続けるので、交際人数が増えハーレム状態になることも)
下手:自己中心的な思考極端の持ち主(感情の浮き沈みが激しく、聞き手のことを考えず、話が長い。また相手が怒り出すと平謝りし全面的に譲歩するが、こじれた状況を修復することはできない)

6.よく遊び、よく働いているのか?

上手:オン・オフともに大活躍(職場で憧れの存在だから職場不倫をしやすい)
下手:オンは好不調の波がある(自分の居場所が家庭内にないから職場が唯一の居場所。だから仕事を頑張り、結果を出す人も)

7.収入は?

上手:高給取りであることが多い
下手:標準以下が多い

8.交際時に既婚だと伝えるか?

上手:聞かれれば隠さない(「既婚の男性でも交際したい」という女性を選べば良い)
下手:必死に隠す(隠せば不倫ではなく自由恋愛となり、罪悪感が薄まるから。しかしじかにバレて修羅場となることも多い)

9.「妻とは離婚する」と約束するか?

上手:約束しない(妻と離婚する気はない。仮に約束しないことで彼女との関係がこじれても構わない)
下手:聞かれたら約束する(彼女が唯一の心のよりどころだから。約束しないことで関係がぎくしゃくすると困る。ただし離婚に現実味はない)

10.交友関係はどうか?

上手:広い(出会いの機会が多いので、1人の愛人に執着しない)
下手:狭い(出会いの場が少ないので、1人の愛人に執着してしまう)

(11〜23の特徴は後編へ続く)

(行政書士、ファイナンシャルプランナー、男女問題研究家 露木 幸彦 写真=iStock.com)