経営再建中の西武鉄道は18日、同社とコクド、プリンスホテルの西武グループ3社が、米投資ファンドのサーベラス・アジア・キャピタル・マネジメントと日興プリンシパル・インベストメンツと資本提携で合意したと発表した。サーベラスと日興プリンシパルを中心として、2005年度中に、西武グループに最大1600億円の資本増強を行う予定。資本増強額、出資比率の詳細については検討中としているが、出資比率は3分の1以下で、経営への影響力は限定的となるようだ。また、同グループの中核企業コクドを増資し、サーベラスなどが大株主になることで、現在の大株主である堤義明前会長など創業家の影響力を排除するともみられている。

  同社はまた、有価証券報告書の虚偽記載で上場廃止となった西武鉄道の株式を保有していた三菱UFJ信託銀行など信託銀行7行から、同社の上場廃止で損害を被ったとして、同社と堤義明氏、コクドを相手取り、約185億円の損害賠償訴訟を起こされたと発表している。訴訟は10月7日付で提起され、17日に訴状が西武側に届いた。訴えているのはみずほ信託銀、三井アセット信託銀、住友信託銀、りそな信託銀など。いずれも年金資金運用基金からの信託財産の管理運用の委託を受けている。同社はその他の株主からも合計6件計68億円の損害賠償訴訟を起こされており、現在訴訟中。 【了】