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●スマートスピーカーのシェア争い激化!

年末年始のスマートスピーカーの新製品ラッシュ、およびセールの時期がほぼ終わり、すっかり平静を取り戻した2月ですが、海外ではスマートスピーカーのシェア争いはますます激しくなっています。2018年2月に起こったスマートスピーカー業界の主な動きについてまとめてみました。

○Apple初のスマートスピーカー「HomePod」が発売。新規参入組も?

2月にスマートスピーカー関連で話題をさらったのは、新たに登場したAppleのスマートスピーカー「HomePod」です。同社の音声アシスタント「Siri」が使えるスマートスピーカーということで注目度も高く、2月初旬に出荷が始まった米国を中心に、早速数多くのレビューがネットで公開されています。

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いまのところ、スピーカーとしての音質は優秀ながらも、それ以外の部分はまだまだというのが、多くのレビューに共通する評価のようです。すでに先行するスマートスピーカーの使い勝手に慣れているユーザからしてみると、機能の貧弱さが目立つようです。

冬商戦をパスしてまで発売を延期し、最終的にかなり見切り発車での発売となった印象の強いこの「HomePod」、まずは本国での機能改善が進まない限り、日本国内でのリリースは、当分先となりそうな予感がします。いい意味で期待を裏切ってくれることに期待しましょう。

ちなみに、新しいスマートスピーカーと言えば、Spotifyがスマートスピーカーを準備中との噂が海外で報じられたのも2月のトピックのひとつです。ソースとなったのは同社の求人情報で、サプライヤーによる具体的な情報というわけではありませんが、もし実現すれば、同社の音楽配信サービスと連携しているAmazon EchoやGoogle Homeに少なからぬ影響を与える可能性があります。

Spotify is ‘on its way’ to creating its first hardware according to job ad

このほか、2月にはFacebookが大型ディスプレイを搭載したスマートスピーカー2製品を今年夏に発売するとの噂も出ており、これらが事実なら、Amazon、GoogleにAppleが割って入ろうとしている世界のスマートスピーカーのシェア争いが、さらに混沌とすることになりそうです。

Facebook to launch two smart speakers in July 2018

●Kindle本読み上げ、通知や通話の対応など新機能続々

スマートスピーカーの新機能追加は定期的に行われており、細かいものまで拾うとキリがないのですが、2018年2月は既存製品の使い方に影響を与える、大きなアップデートがいくつかありました。

Amazon Echoで新たに追加されたのが、Kindleストアで購入した本を、音声で読み上げてくれる機能です。あらゆる本で利用できるわけではありませんが、テキスト本の多くは対応しており、また日本語の音声もそれほどたどたどしい印象はなく実用レベルに仕上がっています。ポッドキャストのような活用法が増えていきそうです。

Amazon.co.jp ヘルプ: AlexaでKindle本を読む

もうひとつは通知機能です。一般的にスマートスピーカーは、スマホの着信通知のような、デバイスの側からユーザに通知を届ける機能は備えていませんが、今回のAmazon Echoのアップデートでは、天気や列車運行情報など特定のスキルについて、通知音とLEDを使ってユーザに知らせてくれる機能が加わりました。メールなどの着信通知に対応しないのは不思議ですが、長期的にスマートスピーカーの利用の幅を広げてくれる機能と言えるでしょう。

通知の機能が日本語環境でも利用可能になりました : Alexa Blogs」

Google Home Miniで、機能が無効化されたままになっていたミュート機能が復活したのも、利用者にとっては明るい話題です。「上部をタップ」だったのが「側面を長押し」に変更されており、以前に比べて使い勝手はやや劣りますが、音を止めたいのに声で話し掛けなくてはダメという、矛盾した操作からは解放されます。

LINEの新モデル「Clova Friends」では、無料通話機能が強化され、発信だけでなく着信にも対応しました。Clova Friendsが2台あれば、内線電話のような感覚で無料音声通話が可能になります。Clova Friendsは3月に入ってから家電量販店を中心に割引販売が始まっており、導入するならば今が狙い目かもしれません。

【Clova Friends】LINE無料通話ができるようになりました!(2018.02.13更新) : Clova公式ブログ

●Amazon Echo、インドで招待制から一般販売へ。日本も間近?

最後に、国内ではあまり話題にならなかったのですが、Amazon Echoについて、注目すべき動きがありました。それはインドにおいて、Amazon Echoがこれまでの招待販売から、一般販売に切り替わったことです。

インドにおけるAmazon Echoの販売は日本よりも約1カ月早く始まっており、ラインナップも日本と同じAmazon Echo、Echo Dot、Echo Plusの3製品です。そんなインド国内で、招待販売がいち早く一般販売に切り替わったとなれば、次は日本か、と期待してしまっても無理はありません。

本稿執筆時点(2018年3月)では特にそれらしき動きはありませんが、いつも発表は唐突で、かつ即日リリースされるのはAmazonのお家芸だけに、ある日いきなりAmazon Echoが自由に買えるようになる可能性は捨て切れません。招待制で申し込んだユーザに製品が一巡するまでは、一般販売に切り替わることはないと筆者は思うのですが、もしもの時に乗り遅れることのないよう、心の準備だけはしておいたほうがよいかもしれません。

ちなみにインドでは、一般販売に切り替わるのと同時に、Amazon Echo間でハンズフリー通話およびメッセージの送信を可能にする「Alexa Calling & Messaging」機能の提供も始まりました。部屋間の内線および無料電話を可能にする機能ということで、こちらも注目しておいたほうが良さそうです。

Amazon Echo speakers now available offline in India, invite no longer required online - MySmartPrice News