高速鉄道をはじめ、日本と中国は鉄道車両の輸出において貿易相手国で比較されるケースが多い。フィリピンの地下鉄でも・・・(イメージ写真提供:123RF)

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 フィリピン華字メディア・菲律賓商報は2日、グレース・ポー上院議員が「中国製の電車を送り返して、日本の協力を求めよ」とツガデ運輸相に要求したことを報じた。

 記事は、「アキノ前政権は、38億ペソ(約81億円)を支払って中国の大連機車公司から48両の車両を購入した。政府はすでに5億ペソ(約10億7000万円)余りを支払っているが、大連製の車両はマニラのMRT(高架鉄道)の耐荷重を2.7トン上回る49トンという重量オーバーの車両だった」と紹介した。

 そして、同上院議員が「ツガデ運輸相は今決定を下すべきだ。どうして時間を浪費するのか。われわれは契約を取り消して、違う車両を作ればいいじゃないか。喜ばしいことに、日本がわれわれを支援してくれようとしている。それなのにどうして彼らを採用しないのか」とラジオ番組の中で発言したことを伝えている。

 同上院議員はさらに「われわれは大連に残りの契約金を支払うべきではない。一方で、アバヤ前運輸相を含め取引の背後にいた官僚の追及を行うべきだ。次の上院聴聞会では、アバヤ氏や運輸省の官僚、大連の代表者を召喚するつもりだ」と語ったという。

 マニラのMRTに納入された中国企業製の車両を巡っては、昨年9月に運輸省が車体重量の超過、一部車両の信号システム未装備などの問題により、返品を含めた対応策の検討を表明した。同上院議員の発言は、運輸省に催促を求めたものと言えそうだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)