成人式当日に振袖が届かない、着付けができないといったトラブルを引き起こした着物レンタル・販売業者「はれのひ」。経営幹部とは連絡が取れなくなっており、篠崎洋一郎社長は"夜逃げ"状態で中国の上海に滞在しているのではないかという憶測も飛び出している。また、1年で最も書き入れ時となる成人式を狙った"計画倒産"だったのではないかとの見方もある。

 そもそも"夜逃げ"とはどのように行われるのだろうか。11日放送のAbemaTV『AbemaPrime』に出演した大阪夜逃げ屋本舗「ライジングサン」代表の鈴木氏(仮名)は「一般の引っ越し業者の場合、ユニフォームに社名が入っているし、危ないケースは扱わないので、私たちのような業者が手伝いをする。映画やドラマでご覧になったことがあるかと思う。"夜"が付くので、人が寝静まった深夜に作業をすると思われるかもしれないが、お客様にとって一番安全な時間帯を把握し、綿密にヒアリングを行って、計画的に実行するので、最近では昼間に行うこともある。本人には安全な場所にいてもらって、私たちだけで下見をさせてもらい、1時間くらいで全て運び出す」と話す。

 目的は法的な決着がつくまで、本人を安全な場所に移すことなのだという。 犯罪に手を貸すことにつながらないよう、依頼者については慎重に検討する。

 「特に年齢が若い経営者や個人事業主が増えている。基本的には経営状況、資金繰りの悪化といった問題を抱え、破産手続き、民事再生法などで動いている場合で、弁護士からの紹介もある依頼者。私たちは犯罪に関わるような手伝いは一切しない」。

 それでも、危ない経験をしたこともある。「日々、緊張感を持って秘密第一でやっているが、見つかりたくない、逃げたい相手に見つかってしまったこともある。その時点で作業を切り上げて、私たちも逃げる。ドアをバーンと閉めて、全力で逃げた」。

 「はれのひ」のケースについて鈴木氏は「企業がある日突然、店舗も空っぽにするというのはあまり聞いたことがない。普通の企業は基本的に倒産、廃業に持っていくと思うので、こんな大きな夜逃げは珍しい」と話す。

 1月8日の成人式当日、「はれのひ」は福岡天神店以外は営業を行わず、翌9日には全ての店舗が閉店。そのため計画倒産をしたのではないかとの指摘がされている。計画倒産とは悪意・詐欺の意図をもって計画的に会社を倒産させることで、立証することが難しくグレーな問題だという。

 「今まで色々な現場に携わってきたが、この件については計画的かなと。8日までにホテルに大量の着物の搬入をしなければならないが、それまでに全てなくなっているという。やはり私たちと同じようなプロの業者がいないと、なかなかこういう状況にはならないと思う。おそらく1日から3日ぐらいの間に、従業員にも知らせず、少人数で色々と行動を起こしたのではないか。姿を見せていない社長は、おそらく売上金を持って、海外に身を隠している感じがする」(鈴木氏)

 東洋経済オンライン編集長の山田俊浩氏は「経済記者なので色々な倒産を見てきたが、こんなに脈絡もないものもない。ぶっちゃけて言うと、そんなに頭がよくないケースだ。うまくいけば資金繰りもできたんじゃないかとも思う。天神店の方は取材に応じていたし、統率が取れていないところがある」と指摘した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)


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