山口組ナンバー2の高山清司若頭。現在は府中刑務所で服役生活を送るが、2019年には出所すると見られている

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 東京郊外にある府中刑務所を警察幹部が秘密裏に訪れるという緊急事態が起きた。目的は、京都での恐喝事件で2014年に懲役6年の実刑判決が下された高山清司・六代目山口組若頭との面会。いわずとしれた山口組のナンバー2だ。

「話を聞きに行ったのは、警視庁で暴力団を担当する捜査幹部。知っての通り、山口組は現在3つに分裂しているが、結局のところ今後の行方の鍵を握るのは高山若頭であり、その意向を直接会って探るために出向いたようです」(捜査関係者)

 当局が動いた背景には、昨今活発にメディア露出をしている任侠山口組の織田絆誠代表の言動がある。最近ではジャーナリストの溝口敦氏によって織田代表を冠にした著書まで出版されたが、溝口氏が週刊現代(12月2日号)で執筆した記事の中でこう語っている。以下、引用する。

「弘道会を動かしているのは実際には司さんではなく、刑務所にいる高山清司さんと分かってます。あの人の意向で分裂した山口組の再統合も決まります。それで2年後にあの人が出所して、会うという約束が取れたなら、向こうに単身乗り込んで、こちらの真意も本気度も見せた上で、会う運びにしたい。

 会わないと言えばそれまでですが、ただ私は六代目山口組から絶縁とか破門とか処分を食らっていない。絶縁されたのは神戸山口組からだけです。高山さんとすれば、私との会見を断る理由がないのではないか」

 この発言を受け、当局は高山若頭がどう考えているのか、聞きに行ったというのだ。

 対して、高山若頭の返答は辛辣だった。前出の捜査関係者が語る。

「織田代表は神戸山口組の入江禎・副組長と通じており、実際にはこの2人が高山若頭の出所後、面談の場を設けて山口組の再統合を話し合いたいつもりのようで、警視庁の人間が高山若頭にその旨も含めて伝えた。すると、形相が鬼のように変わったそうです。『何で俺がアレらと会わなきゃならんのや。●●●野郎が! 絶対に会うことはない』とバッサリ。『(高山若頭は)私との会見を断る理由がない』と話す織田代表サイドとの温度差は相当なものだった」

◆神戸山口組・入江副組長の“思惑”

 高山若頭の激昂ぶりは、山口組関係者からすれば当然のことだったようだ。二次団体幹部のX氏は心情をこう補足する。

「『●●●野郎』という言葉は、本家カシラの口癖ですから、額面通り男として見てないんでしょう。だいたい、2人の魂胆はミエミエ。要は今戻っても、カシラが出てきてひっくり返されることを恐れているわけです。それと、山口組に戻るなら、別々よりもなるべくまとまった形で戻ったほうが、風当たりが弱まる。だから2人は手を組んでいるのでしょう。

 特に入江は先代(宅見勝組長)の姐さんに対し、本家カシラが帰れば二代目宅見組の若者を全員、六代目山口組に返すと約束している。でも、だからといってカシラが司の親分に反逆した入江を許すわけないんです。唯一道があるとすれば、司の親分に詫びを入れる時期によるのではないか。つまり、入江は(高山若頭が)服役中に親分に許しを請い、引退するしかない。カシラを納得させるには親分の言葉しかないんです。カシラの性格は近くで見てきた入江が一番よくわかっているはずです」

 加えて、織田代表には別の事情もあるという。X氏の語気が荒くなる。

「織田は溝口の記事を通じて『カシラに会って再統合の話をつける』とアピールすることで、時間稼ぎをしているだけ。一般人やマスコミ向けには通じても、現役のヤクザにはその場しのぎの方便にしか聞こえません。

 最初の分裂の時からそうでした。高木(康男・六代目山口組若頭補佐)のオジキとの再統合会談の話も、嘘ばっか。向こうの親方に格好のいいことを言ったはいいが、話がめくれ、結局山健組を追われる立場になった。『ウチの井上(邦雄・神戸山口組組長)は山口組に復帰しても、司組長をないがしろになんてしない。度量のある男だ』みたいなことを、当時はどっかのインタビューで言ってたんですよ。今じゃ、その井上を詐欺師呼ばわりしてるじゃないですか。

 たしかに山口組は『処分者以外は受け入れる』という姿勢を打ち出しており、絶縁処分を下した神戸山口組の5人以外の罪は問わない考えはあります。破門者は絶縁者と罪の重さが明らかに違うので、生き残る道も残されている。ただし、偽の山口組を名乗っている織田らの現状は、“鬼の高山”と呼ばれるカシラから見れば代紋泥棒でしかありません。再統合に向けての話をしたいなら、まずは今勝手に使っている代紋を返すのが先。順番を履き違えてるのではないか。山菱の代紋を持って六代目親分と故・田岡親分にお返しし、『私を含め全員の身柄をお預けします』と行動するしかない」

 大きく食い違う各組織の主張と、そこに潜むそれぞれの思惑。日本最大の暴力団は果たして、どんな再統合で決着するのか。<取材・文/日刊SPA!編集部>