11月8日、英ケンブリッジ大学の科学者チームがヒツジを訓練し、人の顔を認識できる能力があることを突き止めた。神経変性疾患の解明につながることが期待されるという 。提供写真
 - (2017年 ロイターJenny Morton/University of Cambridge)

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[ロンドン 8日 ロイター] - 英ケンブリッジ大学の科学者チームがヒツジを訓練し、人の顔を認識できる能力があることを突き止めた。神経変性疾患の解明につながることが期待されるという。

 研究では、ヒツジたちを特殊な施設に入れ、2つのコンピューターの画面上に顔写真を表示して見せた。1つの画面には未知の人物の写真、もう一つの画面には、あらかじめ顔を認識するよう訓練を受けていたバラク・オバマ前米大統領、女優のエマ・ワトソンさん、俳優のジェイク・ギレンホールさん、BBCのニュースキャスター、フィオナ・ブルースさんの4人の著名人のうちの1人の写真を映した。

 画面近くの赤外線を遮ることで著名人を選んだと確定すると、ご褒美の餌がもらえ、著名人でない人物を選ぶとブザーが鳴って餌がもらえない仕組み。正解率は、最終的に8割に達した。

 同じ人物を別のアングルで撮影した写真で認識能力を試験したところ正解率は15%低下したが、研究者らによれば、人間がこの試験を行っても同程度は低下するという。

 同チームはこの研究結果を、長期間かけて進行し、認識能力に影響するハンティントン病などの疾患解明のためのモデルにしたいとしている。