「金平糖入りグラニュー糖」について、製造元の大阪糖菓株式会社(大阪府八尾市)に取材した。

「金平糖入りグラニュー糖」に7万超いいね

ネット上に先日、「金平糖入りのグラニュー糖」がテトラパック入りに進化していたと驚き、「こんな可愛いものがある事が知られていないの不憫すぎる。そのまま飾ってもいいよね」というつぶやきが投稿された。

話題になったのは、大阪糖菓の公式サイト「コンペイトウ王国」のオリジナルシリーズ「ジェムシュガー」。同社のオンラインショップでは、15個入り550円(税込594円)で販売されている。

出典:コンペイトウ王国ONLINE SHOP

このツイートを受けて、ネット上には「こんな可愛いものがあるのですか!」「砂の上に宝石が載ってるみたいで綺麗」「夜の浜辺みたい」「センスありすぎ」「トキメキます」「夢がある」「欲しい」と反響が続々。

元のツイートはおよそ3日間で4万回以上リツイートされ、7万3000超いいねされている。

職人が2週間を掛けて製造

同社は1940(昭和15)年に菓子卸問屋として開業。

戦後、空襲で焼失した店舗跡地に工場を建設して菓子製造を始め、現在は八尾市と堺市、福岡県福岡市に「コンペイトウミュージアム」を開設している。

コンペイトウ王国代表のフロイスしおりさんに取材した。

--「金平糖」を手がけるようになった経緯を教えてください。

私で3代目になります。

初代の祖父は元々菓子卸問屋をしていたのですが、ある方から「金平糖がよく売れるから、自分のところで製造できるように釜を取り寄せて貰えないか?」というご依頼を頂き、釜をこしらえたところ、お値段の折り合いがつかず、釜だけが残って途方に暮れてしまったそうなんです。それで、自分たちで作ろうということになったと聞いています。

出典:コンペイトウ王国ONLINE SHOP

--「金平糖」はどのように作るのですか?

1分間に2回ゆっくり回転する釜の中にグラニュー糖を入れ、上から蜜掛けとガス火での乾燥を繰り返し、その1粒を1日1ミリずつ成長させていきます。

直径1.5センチメートルの金平糖を作るのに10日〜2週間がかかります。型枠に入れて作るのではなく、あの角は職人の技で生やしていくんですよ。

釜の傾斜角度や砂糖液のかけ量・加熱加減など、ツヤのある金平糖づくりのコツを覚えるのには相当な年季が必要という。

提供:大阪糖菓

「プレミアムなシュガーを」と誕生

--「ジェムシュガー」はいつ・どのような経緯で開発したのですか?

金平糖の主原料であるグラニュー糖は、太ったり虫歯になったりすると消費量が年々下がってきています。

そこで、普段コーヒーや紅茶にお砂糖を入れないけど、「可愛いから使ってみようか」「持って帰りたい」と思えるようなお砂糖を作りたい。お砂糖はもちろん、金平糖の価値をさらに上げられるプレミアムなシュガーを作りたい、そんな想いでジェムシュガーが誕生しました。

出典:コンペイトウ王国ONLINE SHOP「コンペイトウ屋さん」

ユニークな商品を次々開発

--他に、人気もしくは一押しの商品は?

口の中で60分間持つ意味のない飴ちゃん、その名も「60分キャンディ」や、直径1ミリメートルの「世界一小っちゃなコンペイトウ」、熱中症対策用の「塩こんぺい」や和三盆糖のみで作った「和三盆こんぺい」があります。

松茸ごはんやすき焼きに使える「松茸こんぺい」もありますよ。

▼直径約3センチの「60分キャンディ」。北海道の漁師から届いた「作業中は竿を支えるので両手がふさがりその間飲食できない。エネルギー源になるお菓子が欲しい」という要望に応えて、新たに開発した大玉マーブルに棒を付けた。

 

出典:「コンペイトウ王国」HP

伝統はそのまま革新を

金平糖は元々日本にあったものではなく、今から460年ほど前にポルトガルから伝わった南蛮菓子の1つ。最初に食べた日本人は織田信長と言われるなど、ロマンが溢れるお菓子だ。

同社代表のフロイスしおりさんの「フロイス」は、信長に金平糖を献上したルイス・フロイスから取っているという。

--「金平糖」に込める思いを教えてください。

製造工程や歴史がこれほどユニークで面白いお菓子は他にないと思います。

工場内は夏場室温が50度近くにまで上がり、苛酷な環境で作っているということと、職人はそんな大変な環境の中でも情熱を持って作っているという事を知って頂きたいと思います。

歴史文化をお伝えする事によって金平糖の価値をさらに高め、昔から伝わる技術はそのままに、ユニークでオリジナルな製品開発・商品企画にどんどん取り組んでいきたいです。

 

出典:「コンペイトウ王国」HP

同社によると、現在、金平糖を作るメーカーは全国で7〜8社ほど。事業や技術を継承する者がいないことが大きく関係しているという。

斜陽のお菓子と言われる金平糖ですが、光の当て方、魅せ方、斬新な使用目的を提案することによって、磨けばまだまだキラキラ光ると思いますので、この愛らしい金平糖が次世代にも残るようにぜひ繋いでいきたいと思います。

そのために、小さい子どもさんに金平糖を食べて貰う機会を設けて、金平糖を見たら懐かしいという気持ちが育めるようにしたいと考えています。

海外の方にも金平糖のことをPRする機会を設け、金平糖が持つ愛らしさ、素晴らしさを伝えたいと思っています。

日本中、世界中に広がることを願って

2016年には「パウダーシュガー入りの石鹸」に「リップクリーム」、「本物の金平糖を使ったアクセサリー雑貨」を作った。ポルトガルのオビドス地方にあるさくらんぼ酒を使った恋愛成就を願う「ほんのり大人チックな金平糖」も考案したという。

出典:コンペイトウ王国ONLINE SHOP「コンペイトウ屋さん」

全員が金平糖や甘いものが好きということではないと感じています。

石鹸やリップス、そしてアクセサリーを一目見てキュンとして頂いて、そこから金平糖やコンペイトウミュージアムのことを逆に知って頂けるツールになればいいなと思っています。

金平糖の消費やコンペイトウの手作り体験にいらっしゃる層で10代後半〜20代の女子が他の世代に比べて少なかったのですが、新商品で新しいターゲット層に訴える手段ができたのでよかったです。

コンペイトウというワードができるだけ日本中、いや世界中に広がればいいなと思っています。