苦労人が6戦4発の活躍…ドルトムントの“ロイス2世”フィリップに注目

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 前節6−1で難敵ボルシアMGに快勝したドルトムントの若手にドイツ国内の注目が集まっている。この試合で2得点1アシストの大活躍を見せたのは、ドイツ人MFマキシミリアン・フィリップだ。2015−16シーズンに当時2部のフライブルクで主力として昇格に貢献すると、昨シーズンは1部で9得点の活躍を認められ、ドルトムントに2000万ユーロ(約26億円)で獲得された選手だ。

 細身で俊足を活かすスタイルはドイツ代表FWマルコ・ロイスに似ており、ポジションもほぼ同じ。スピードを重視するダイナミックなサッカーを標榜する今シーズンのドルトムントにうまくハマっている。ここまで書けば、順風満帆にも見えるが、彼のプロに辿り着くまでのキャリアは平坦な道ではなかった。ドイツのスポーツサイト『シュポルト・バザー』がインタビューの様子を伝えている。

 ベルリン生まれの23歳のフィリップは、14歳のときに身体が小さいという理由でヘルタ・ベルリンのU−15チームから戦力外扱いを受けている。現在のドイツのトップレベルではあまりないことだが、2008年はまだまだ過渡期にあったドイツのいち時代ならではのエピソードだ。そこから同じくベルリンの名門であるテニス・ボルシアへ移籍。17歳のときにはバイエルン・ミュンヘンから入団テストの誘いを受けたが、テストの最中にケガをしてしまう不運に見舞われた。

 U−19で当時2部のエネルギー・コットブスヘ移籍し、そこでの活躍を認められ、育成に定評があるフライブルクに移籍したことで、現在につながる道を拓いた。フィリップは「今から見返すと、全てがこうなるようになっていたように思えるね」とドイツ誌『シュポルト・ビルト』の中で振り返っている。

「本当に落ち込んだよ。8年間もヘルタでプレーして、オリンピア・シュタディオンでボールボーイもよくやっていたんだ。ヘルタのユニフォームでプロとしてプレーするという夢は砕かれてしまったんだからね」

 遠回りをしながらも、ドイツ代表入りも視野に入ってくるほどの成長を見せているマキシミリアン・フィリップの活躍に注目だ。