別名「やせホルモン」とも言われる、アディポネクチンをご存知ですか。アディポネクチンは 脂肪を燃焼させる注目のホルモンです。ダイエットだけでなく生活習慣病予防にも大きな働きをするアディポネクチンは、現代人にとって健康の鍵ともなる期待のホルモンなのです。

アディポネクチンの基礎知識

アディポネクチンはごく最近、1996年に日本で発見されたホルモンの一種です。多くのホルモンは内臓から分泌されますが、アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されます。現在、脂肪細胞から様々な生理活性物質(身体の生理的作用を調節する化学物質)が分泌されることが知られています。生理活性物質には悪玉物質も存在しますが、アディポネクチンは善玉物質とされるホルモンです。アディポネクチンの研究が進み、身体の健康を維持する効果、特に生活習慣病を防ぐ効果が高いことが明らかになっているのです。

長寿にも関係すると言われるアディポネクチン

アディポネクチンはよく「やせホルモン」と呼ばれますが、それはアディポネクチンには体内の脂肪や糖をエネルギーに変えて、消費を促す働きがあるからです。他にもインスリンの働きを助けて血糖値が高くなるのを防ぎ、血流をよくして高血圧を防ぐ効果もあります。またアディポネクチンは動脈硬化予防にも期待できます。血管は年を重ねていくにつれ硬くなっていき、糖や脂肪により傷つきもろくなっていきます。アディポネクチンは血液に混じって全身にまわり、これらを修復し血管を拡張して動脈硬化を防ぐのです。

アディポネクチンで長寿に?

アディポネクチンには身体機能を健康に保つ作用があることから、長寿と関係があることが指摘されています。まだ詳しいことは解明されていませんが、実際に長寿である人の血液中には、アディポネクチンが多く含まれており、若い世代と比べてもずっと多いそうです。アディポネクチンを増やすことが健康の秘訣となる、その事実が次第に明らかにされています。

アディポネクチンの分泌を増やす方法

それではアディポネクチンを増やすにはどうしたら良いのでしょうか。アディポネクチンは体内の脂肪細胞から分泌され、食品から摂ることができません。脂肪細胞から多くのアディポネクチンが分泌されるためには、程よい体型であることが条件とのこと。太りすぎていても痩せすぎていても脂肪細胞が正常に働かず、アディポネクチンの分泌量が減ってしまうそうです。そのため食生活に気をつけ適度な運動をすることが、アディポネクチンを増やすポイントとなります。食品でアディポネクチンを摂取することはできませんが、食品の摂取によりアディポネクチンの分泌を促すことはできるそうです。おすすめは大豆製品や青魚を取ること、大豆に含まれるβコングリシニンや青魚に含まれるEPA(EPAとはどんな成分なの?)には、アディポネクチンを増やす効果があると報告されています。毎日の生活習慣に気をつけて、健康と美容のために、アディポネクチンの分泌を増やしていきたいですね。


writer:Akina