快眠のため、マットレス選びはとても大切。でも世の中には「低反発マットレスがいい」という人もいれば、「いやいや、やっぱり高反発」という人もいて、ホントのところどっちがいいの?と迷ってしまう人も少なくないでしょう。高い買い物ですから失敗したくないですよね!快眠セラピストの三橋美穂先生に聞いてきました。

三橋美穂 快眠セラピスト/睡眠環境プランナー。著書に『驚くほど眠りの質がよくなる 睡眠メソッド100』、監修に『おやすみ、ロジャー 魔法のぐっすり絵本』がある。

私にぴったりの反発力を診断

「自分に合った反発力のマットレスを選ぶことが良質の眠りには欠かせない」と話す三橋先生。実は、快眠できるマットレスの反発力は、その人の体質や寝方によって違ってきます。自分に合った反発力を知るための「マットレス診断シート」がこれ。

Copyright:Miho.Mihashi

当てはまるものにチェックを入れてみてください。どの列にいちばん多く、チェックが入りましたか? いちばん多くチェックの入った列で、あなたに適したマットレスが診断できます。

結果は次の通り。

・左の列がいちばん多かった人→低反発マットレス

・真ん中の列がいちばん多かった人→中反発マットレス

・右の列がいちばん多かった人→高反発マットレス

同じ数のチェックが入ったと場合は、いちばん自分が優先したい項目の入った列を選んでください。

マットレス選びには体重も関係あり

診断結果の根拠を三橋先生に解説してもらいました。

「まずマットレスの“反発力”と“柔らかさ/硬さ”は、ちょっと違うということを知っていただきたい」と言います。

反発力とは、体を押し返す力のこと。低反発マットレスは体の圧力を受けてマットレスが体にぴったりフィットするので、体がやさしく包み込まれるようなソフトな寝心地が特長です。高反発マットレスは体の圧力を受けてもクッと反発するため、体がマットレスに沈み込まない、そのため動きやすいという特長があります。

はじめに、低反発マットレスが合っているのはどんな人でしょうか?

「ショートスリーパーの方、眠りが3〜4時間ぐらいの人ですね。寝始めの3〜4時間は眠りが深くて体の動きが少ないので、その時間帯、しっかり体を支える必要があります。それには低反発が適しています。

睡眠中あまり寝返りを打たず、動きが少ないという人も、姿勢が安定する低反発がおすすめです。また、腰が痛い方も低反発なら腰の位置が安定し、寝ている間の痛みをやわらげることができます。実は私も2週間ほど前にギックリ腰をしまして……寝ている時のちょっとした動きでも痛みが走ります。そういう時は姿勢を安定させることが最優先になりますね。

それから夫婦一緒に寝たい、1枚のマットレスで寝る場合ですね、低反発のほう相手が動いても揺れを抑えられるので気にならず、寝やすいです」

次に中反発マットレス。ストレスが多い人は中反発ということですが。

「中反発マットレスは適度な反発力があるのが特長です。ストレスが多いと体も緊張しています。就寝時に体が緊張しているとうまく眠れません。人間は柔らかいものに触れるとフッと緊張がほぐれますよね。ですからマットレスも柔らかいほうがリラックスできます。うつぶせ・横寝の方は、肩や頬にかかる圧力が高くなるので、あまり硬いマットレスですと痛くなってしまいますからね。

体重は標準〜軽めの人。マットレスと体重の関係をお話しますと、基本的に体重の重い人が柔らかいマットレスに寝ると腰が沈んでしまうことがあるので、硬めのほうがおすすめです。

体重が重いというのは80キロとか90キロというレベルですので、女性の場合はだいたい中反発に当てはまりますね。

ということで、高反発マットレスですが、こちらは硬めで体を押し戻す力が強いです。ですから体重が重くても体が沈み込みにくい。またマットレスの硬さと体の硬さが近いと動きやすく、寝返りしやすいんですね。筋肉質の人は高反発がおすすめです」

自分の好みに合えばリラックスして眠れる

実際に低・中・高反発マットレスを使って、三橋先生に「マットレス診断」してもらいました。筆者の場合、「診断シート」でチェックがいちばん多かったのは「中反発マットレス」。しかし実際にマットレスの試し寝をしてみたところ「高反発マットレス」のほうが寝心地がよかったので、三橋先生に診断してもらったところ、「肩が当たったりして痛くなければ、高反発で問題ありませんよ」とのことでした。

「自分が今まで使ってきて慣れている寝具の硬さや好みも重要な項目です。これが気持ちいいと思えれば、気持ちがリラックスしますから、それだけ眠りに入りやすくなります。好みも加味して選んでくださいね!」

三橋先生は「睡眠が夫婦関係に与える影響」についても調査されています。これは「パートナーとの関係に与える影響」にそのまま通じるものがありますので、後編でご紹介します。

寝にくさを感じている方、マットレスを見直してみましょう。

【参考】*トゥルースリーパー 睡眠勉強会