攻撃のキーマンとして躍動した齋藤だが、自身のゴールはまたしても決めることができなかった。(C)J.LEAGUE PHOTOS

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[J1第19節]横浜 2-2 清水/7月29日/日産スタジアム/24,881人
 
 試合終了後、ピッチから降りてきた齋藤学は、階段の下で両手を膝について、がっくりとうなだれていた。しばらくして立ち上がり、ロッカールームに戻ろうとするが、その足取りは重かった。
 
 前半終了間際、持ち前のドリブル突破で奪ったPKのチャンス。自らキッカーを務めたが、元チームメイトの六反勇治にストップされる。
 
 2-2で終わった清水との一戦、結果論だが、2-1で迎えたこのPKが決まっていれば、横浜が勝点3を収めていた。齋藤が責任感を覚えても不思議ではない。
 
 ミックスゾーンに姿を現わした横浜の背番号10は、一見するとサバサバとしていたが、その言葉からは無念さが滲み出ていた。
 
「自分の責任だし、迷惑をかけていると思う。勝てた試合だった。だからといって、立ち止まるわけにはいかない。逃げるのは簡単なので。もう一回、立ち向かっていきたい」
 
 中澤佑二は「学が責任を感じているみたいだけど、そんなことはない」と10番を慮る。カウンターから奪ったマルティノスの先制点も、左サイドを崩した天野純のチーム2点目も、齋藤が起点となっている。
 
 今季初ゴールはまたもやお預けとなったが、依然として確かな存在感を放っているのは事実。この日の悔しさは、必ず次の勝利の原動力となるはずだ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)