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 歌舞伎俳優の市川海老蔵(39)の「再婚問題」が盛んに報じられている。最愛の妻・小林麻央さん(享年34)が亡くなってから約1カ月しか経っておらず、海老蔵は今月22日の月命日にも「まお……あの日から1ヶ月、涙の出ない日が来ない」と悲痛な思いを綴っている。

 だが、その思いに反して週刊誌などでは再婚問題がたびたび報じられ、お相手候補に麻央さんの姉でフリーアナウンサーの小林麻耶(38)の名前が上がるほどの過熱ぶり。一方で世間の反発が予想されることから「海老蔵の再婚は許されるのか」といった記事も噴出しており、その周辺がまたも騒がしくなっている。

■気持ちの整理を待ってれない「成田屋の事情」

 通常であれば、いくらメディアに注目されている芸能人であっても四十九日の法要も済まないうちから再婚話が出るようなことはないだろう。それなのになぜ、海老蔵の再婚問題が騒がれているのか。

「成田屋の一部の贔屓筋から再婚を勧める声が上がっているようです。歌舞伎役者は一年のうち約10カ月も舞台に立たねばならず、梨園に嫁いだ妻の最大の仕事は夫に代わって贔屓筋との付き合いをこなすこと。公演に訪れた贔屓筋の出迎えや見送り、盆暮れの付け届けや冠婚葬祭など、大手プロの芸能マネージャーさながらの激務です。麻央さんの闘病中は海老蔵の母・堀越希実子さんが中心となってサポートしていましたが、年齢的にいつまでも息子の“おかみさん”の代わりはできない。この状況を贔屓筋や歌舞伎関係者が心配したことで再婚話が騒がれるようになっている」(週刊誌記者)

 さらに『日刊ゲンダイ』では、2020年ごろに海老蔵と息子・勸玄くん(4)の「ダブル襲名披露」があるといわれているという成田屋の事情を報じている。もし海老蔵が大名跡「市川團十郎」を継ぐことになれば、歌舞伎興行を取り仕切っている松竹を挙げての大興行になるため、そばで支えてくれる“梨園の妻”がいなければ襲名は不可能ではないかと同紙は論じている。

 いまだ海老蔵は再婚など考えられる状況ではないだろうが、歌舞伎界の名門中の名門である市川家の事情が気持ちの整理を待ってくれないようだ。

 しかし、もし海老蔵が再婚に前向きになったとしても世間の反発が問題になるとの指摘がある。

「麻央さんが他界してから数日後、海老蔵が子どもたちや麻耶らを連れてディズニーランドに行っていたという目撃談がネット上を駆け巡りました。子供たちが塞ぎこんでしまわないようにと気遣っての行動だったはずですが、一部では『不謹慎だ』『喪も明けていないのに』といった批判が多数あった。これだけ反発が強いようだと再婚に対しても否定的な意見が噴出するのは免れないのでは……」(前出・週刊誌記者)

 一時期は素行不良によってイメージが地に堕ち、このままでは「團十郎は継げない」とまで揶揄された海老蔵。だが、海老蔵が「日本で一番困ったちゃんだった俺を助けに来てくれた」とブログで評した麻央さんの献身的な支えによって生まれ変わっている。

「いまや技量はもちろんのこと人格的にも近い将来の團十郎襲名に異論を唱える者のない存在になった。しかし、今後は歌舞伎役者として大きく羽ばたこうとすればするほど”再婚”は避けられない問題になるでしょう」(前出・記者)

 メディア報道の過熱や贔屓筋からプレッシャーで海老蔵に重くのしかかる”再婚問題”。海老蔵が万全の姿で團十郎襲名に向けて精進するのは誰かの支えが必要となるはずだが世間の反応はいかに。

文・橘カイト(たちばな・かいと)※1979年島根県生まれ。編集プロダクションを経て、フリーに。週刊誌などで芸能関係の記事を執筆。また、民俗学などにも精通し、日本のタブーにも数多く取材。主な著書に『真相!禁忌都市伝説』(ミリオン出版)ほか多数。