国内の支持率は70%を超えるが…… ©共同通信社

 反日・親北・離米――今年5月に就任した韓国の文在寅大統領のこんな特徴が思ったよりも早く表面化してきた。

 文大統領は6月29日からの訪米を控えて、ワシントン・ポストやロイター通信のインタビューに応じた。そこで最も明確に表明されたのは日本へのスタンスだった。

「前政権が日本と交わした慰安婦問題合意は韓国国民に受け入れられていない。とくに犠牲者の元慰安婦たちが反対だ。問題解決のカギは日本が法的責任をとり、政府が公式の謝罪をすることだ」

 この発言は日本との慰安婦合意を反故にしようとするものに他ならない。さらに文大統領は次のように述べた。

「日本が戦争の罪を認めることを拒み、日韓間の島の不当な領有権を主張し、軍事費を増加することに懸念を抱く。日本がこうした諸点を改めれば、韓国その他のアジア諸国との関係は発展する」

“最終的かつ不可逆的に解決”したはずの慰安婦問題での合意破棄に留まらず、戦争の歴史への謝罪、竹島の領有権放棄、そして防衛費増額停止までを求めたのである。

 大幅に“ゴールポスト”を移動させたばかりか、新たなゴールポストを勝手に増設した格好だ。日本を主権国家ともみなさない無茶苦茶な要求だといえよう。

 一方で、文大統領はこの両インタビューでトランプ政権との協調をうたいながらも、北朝鮮に対してはトランプ政権の拒む「対話」の重要性をくどいほど強調した。文大統領自身が北朝鮮を訪問する可能性を指摘しつつ、開城工業地区の再開による北への経済支援の効用をも説く。

 米側が朴前政権との合意に基づいて韓国領内に配備を始めた高高度迎撃ミサイル(THAAD)についても1年にも及ぶ「環境保護評価」が必要だと強調した。

 結局、米韓関係について「同盟」という言葉を使わず、微妙な距離感を印象づけた。

 6月中旬にも文大統領は側近を通じて、米韓両軍の合同演習の規模を北朝鮮の要求に応じて縮小し、引き換えに北に核兵器開発を凍結させるという案を提示している。

 韓国の新大統領の一連の言動は日本との対立構図とともに、アメリカとの摩擦の予兆とも受け取れる。早くも先が思いやられる展開だ。

(古森 義久)