わずか3.5秒で爆破解体(画像は『Ecns.cn 2017年6月11日付「NE China bridge blown up to make way for new one」(Video by Wan Jigang / chinadaily.com.cn)』のスクリーンショット)

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建設ラッシュに沸く今の中国では、築40年近い橋など「架け替えて当たり前」ということなのか。それともテクニカルな問題からこれ以上の使用は危険ということか…。このほど吉林省の大きな橋が爆破解体となり、そのパワフルな破壊力には悲鳴すらあがったもようだ。『Ecns.cn(中新網)』などが動画とともに紹介している。

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「この大きな橋がたったの3.5秒で完全崩壊!」

吉林省の長春市にある「南湖大橋」で11日に行われた爆破解体の様子を、中国の多数のメディアがそんな見出しとともに伝えた。解体が行われたのは日が昇って間もないラッシュアワーの前で、長さ150メートル幅25メートルの橋に計710kgの爆薬が計算通りに仕掛けられた。古い橋は3.5秒で崩壊し、あたり一面に茶色がかった煙や粉塵がもうもうと立ち込め瓦礫が飛散したが、その回収には3〜5日かかるという。

この大橋が作られたのは1978年というからまだ築39年。日本であれば「もったいない。架け替え工事中の不便は困る」という声も出そうだが、この古い大橋については安全性の問題を抱えていたと指摘する報道もあるようだ。『中国日報(China Daily)』によれば当面の往来は解体された橋の両脇に作られた仮橋を利用することになり、長さ150メートル、幅26メートル(5メートルの歩道2本を含む)という新しい橋をこれまでと同じ場所に今年9月末までに完成させたいもよう。短い工期ではあるが100年はもつように設計も頑強であるそうだ。

なにかとずさんな建設工事が話題になる中国。河南省の「雲台山地質公園(Yuntai Mountain Geological Park)」では2015年秋に1,078メートルの高さに260メートル長の強化ガラス張り(厚み2.7cm)遊歩道が完成したが、68メートルにわたってヒビが入り、オープン2週間で閉鎖に追い込まれていた。また海南省ではいわゆる「おから工事」が災いし、2011年に完成した12階建てホテルがたった4年にして取り壊しとなった一方で、湖南省長沙市では「Broad Sustainable Building」という建設会社がわずか19日間で57階建ての高層ビルを建設し、「大丈夫なのか」と人々を震えさせた。

画像は『Ecns.cn 2017年6月11日付「NE China bridge blown up to make way for new one」(Video by Wan Jigang / chinadaily.com.cn)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)