かねて噂されていたとおり、米アマゾン・ドットコムは、生鮮食品を販売する新業態の店舗を発表した。

 この店は「AmazonFresh Pickup」と言い、肉や野菜、乳製品、パンなどの食料品のほか、日用品なども取り扱い、その商品種は数千に上る。

 そして、これが従来の食料品店と違うのは、アマゾンのネット販売と連係した、ドライブスルー方式に特化した店という点だ。

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ネットで注文、店で受け取り

 顧客は、スマートフォンなどを使って自宅や外出先からネットで商品を注文し、希望の商品受け取り日時を指定する。

 あとは、その日時に車で店に行き、商品を受け取る。店舗では、アマゾンの従業員が棚から商品を取り出し、紙袋に詰めて準備しており、客が到着すると車のトランクまで運んでくれる。「ドライブ・イン、ドライブ・アウト(車で到着後にすぐに出発)」できる、待ち時間のないサービスだとアマゾンは説明している。

 アマゾンが同社のウェブサイトなどで公開した動画によると、時間指定は午前11時から午後1時、午後1時から午後3時といった具合に2時間単位で行える。また最低注文量という制約は設けないという。

Prime会員限定の店舗

 このサービスはアマゾンの有料プログラム「Prime」や、同社が米国などで展開している会員制の生鮮食品ネット販売サービス「AmazonFresh」の会員に向けたものだ。

 前者の米国における年会費は99ドル。後者はこれに加え、月額14.99ドルの会費がかかるが、新店舗の利用にはそれ以外の料金は不要。さらにAmazonFreshの会員には、注文から15分で商品を準備するという特典があるという。

 この店舗はすでに、アマゾンの本社がある米ワシントン州シアトルのバラード地区とソードー地区に計2店舗を開設しており、現在、アマゾンの従業員を対象に試験営業をしている。

 アマゾンはこれを準備が整い次第一般公開する予定で、希望者には、開始時期を電子メールで知らせると、ウェブサイトで案内している。

拡大するカーブサイドピックアップ

 こうした店頭受け取りサービスは、カーブサイドピックアップと呼ばれる。従来、注文した商品を店で受け取る場合、サービスカウンターなど店内の受付場所に行かなければならなかったが、カーブサイドピックアップでは、店先に止めた顧客の車まで商品を持ってきてくれる。

 アマゾンはこのサービスの待ち時間を短縮するため、ナンバープレートの自動読み取り技術を開発しているなどと、報じられていた。

 今回のアマゾンの新店舗について報じている米ウォールストリート・ジャーナルの記事によると、米小売り大手のウォルマート・ストアーズは、来年末までにカーブサイドピックアップを全米1000店舗に拡大する計画という。

 このほか、米食品スーパー大手のクローガーも、「クリックリスト(ClickList)」と同社が呼ぶ、同様のサービスを拡大する計画だと、同紙は伝えている。

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筆者:小久保 重信