中国高速鉄道にとって新幹線は輸出をめぐって火花を散らすライバルと言える。新幹線の技術力や安全性、信頼性の高さを考えれば、中国側にとっては「非常に手強い相手」に映っているはずだ。(イメージ写真提供:(C)Richard Schneider/123RF.COM)

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 中国高速鉄道にとって新幹線は輸出をめぐって火花を散らすライバルと言える。新幹線の技術力や安全性、信頼性の高さを考えれば、中国側にとっては「非常に手強い相手」に映っているはずだ。

 中国国内では多くのメディアが「中国高速鉄道の技術は、もはや世界最先端」であるなどと報じているが、一般の中国人たちは新幹線と中国高速鉄道のどちらの方が優れた高速鉄道だと考えているのだろうか。

 中国メディアの今日頭条はこのほど、新幹線と中国高速鉄道を比較し、どちらが優れているのかを議論する記事を掲載、中国人ネットユーザーたちが熱い議論を交わしている。

 記事は、中国は現在、輸出を推進できるほどまでに高速鉄道技術が成熟したとしながらも、日本は1964年に世界初の高速鉄道として新幹線を開業させ、新幹線の路線はすでに日本列島をカバーしていると指摘。果たして新幹線と中国高速鉄道はどちらが優れているのだろうかと疑問を投げかけた。

 これに対し、中国のネットユーザーから多くのコメントが寄せられ、「新幹線も中国高速鉄道もそれぞれに一長一短がある」という意見があった。中国は国土が広いため、総延長で新幹線を上回るのは当然のことと指摘。また、中国は地域によって気候が大きく異なることから、様々な気候条件に適した高速鉄道の開発や運行といった点では中国に分があると主張する一方、新幹線は世界初の高速鉄道として、長期間にわたって運行してきた経験と蓄積という強みがあるという見方があった。

 また、中国高速鉄道と新幹線の両方に乗車した経験があるというユーザーからは「ハード面で両者に大きな違いは感じなかった」としながらも、新幹線はサービスなどソフト面で中国高速鉄道を圧倒していることを感じたとの声があった。日本では体が不自由な乗客がいれば、駅員が乗降車をサポートしてくれること、新幹線は時間に非常に正確に運行されており、乗客にとって利便性が高いことを指摘する声も見られた。

 そのほか、中国高速鉄道は乗車券が実名制であるため購入手続きが面倒で、乗車前に荷物検査まであり、外国人の立場で見ると利用しにくいが、新幹線は購入手続きも簡単で、外国人でも利用しやすい利点があるという声もあった。全体的に見ると、ハードの点では新幹線も中国高速鉄道も大きな差がないとしながらも、運行時間の正確さやサービスの質、利用しやすさといったソフト面では新幹線の方が圧倒的に上という意見が大半だった。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)Richard Schneider/123RF.COM)