日本の公衆便所でも「トイレットペーパーを持ち帰らないで」と、トイレットペーパーの盗難を防止するための注意書きが貼られていることがありますが、トイレットペーパー泥棒に苦労しているのは日本だけではないようで、中国ではトイレットペーパー泥棒対策に顔認識機能付きのハイテク機器を導入し、泥棒たちとの激しいバトルが繰り広げられているそうです。

China’s High-Tech Tool to Fight Toilet Paper Bandits - The New York Times

https://www.nytimes.com/2017/03/20/world/asia/china-toilet-paper-theft.html

China is fighting toilet paper thieves with facial recognition software - The Verge

http://www.theverge.com/2017/3/20/14986640/china-toilet-paper-theft-facial-recognition-machine

中国の天壇にある公衆便所には、神出鬼没のトイレットペーパー泥棒がやってくるそうです。泥棒たちは太極拳を練習するために公園にやってきた一般市民のように見えるそうですが、実際は特大のショッピングバッグやリュックサックの中に大量のトイレットペーパーを入れて盗んでいく模様。そんなトイレットペーパー泥棒に対抗すべく、北京の現地当局は公衆便所に顔認識機能付きのハイテクトイレットペーパーディスペンサを設置しています。

このハイテクトイレットペーパーディスペンサが設置された公衆便所でトイレットペーパーを使用するには、個室に入る前に壁に取り付けられた機器を3秒間見つめる必要があります。すると、2フィート(約61cm)ほどのトイレットペーパーが出てくるのでこれを使えばOKというわけ。ただし、このトイレットペーパーディスペンサは同じ人物には9分間に1度しかトイレットペーパーを提供してくれないため、顔認識機能に同一人物と認識されてしまえば「もう少しトイレットペーパーがほしい」という場合でも機械の前で待ちぼうけを食らうこととなります。

実際に天壇公園の公衆便所に設置されたトイレットペーパーディスペンサがどのように動作するのかは以下のGIF画像で見ることができます。



北京の中でも有名な観光地のひとつである天壇公園は、多くの人々がトイレットペーパーディスペンサの導入を喜んでいると発表。中国北西部にある寧夏回族自治区出身の労働者であるHe Zhiqiangさんも、「トイレットペーパー泥棒は貪欲です。トイレットペーパーは公共の資源なので、泥棒の手から守る必要があります」と語っています。

もちろんすべての公衆便所利用者がトイレットペーパーディスペンサを歓迎しているわけではなく、装置の導入に不満を抱いて機器を殴りつける人や、「出てくるトイレットペーパーが短すぎる」という声をあげる人もいます。なお、天壇公園の職員によるとトイレットペーパーディスペンサ1台の値段は約720ドル(約8万円)とのことです。

中国では公衆便所で起きるトイレットペーパーの盗難問題が深刻で、多くの公衆便所にトイレットペーパーが設置してありません。そんな中でも天壇公園では過去10年間にわたって公衆便所にトイレットペーパーを設置していたそうですが、そのほとんどがすぐに盗難にあっていたそうで、犯人は観光客ではなく地元の住人ばかりであったそうです。



トイレットペーパーディスペンサを開発したのは天津のShoulian Zhinengという企業で、この企業でマーケティングディレクターを務めるLei Zhenshanさんは、「我々は指紋・赤外線・顔認証など、多くのオプションについてブレインストーミングしました。そして最も衛生的な方法にするため、顔認証を使用することにしました」とコメントしています。また、Zhenshanさんによればトイレットペーパーディスペンサの初期モデルが、「鳥の巣」の愛称でおなじみの北京国家体育場に設置されているそうです。なお、天壇公園の一部に設置されたトイレットペーパーディスペンサ設置が好評となれば、公園内の公衆便所すべてに装置を設置する予定となっています。

ソーシャルメディア上では一部のユーザーが「金の無駄」とトイレットペーパーディスペンサの設置を批判しており、他にも「ユネスコの世界遺産にも登録される天壇には不適な装置だ」という意見もあります。しかし、天壇公園の関係者や一般市民の多くが賛同しているように、トイレットペーパーディスペンサは「天壇で後を絶たないトイレットペーパー泥棒」の根絶に一役買ってくれそうです。