茨城県内の境古河IC〜つくば中央IC間28.5kmが2017年2月26日に開通し、圏央道は全体の9割が完成しました。残りの区間における事業進捗はどうなっているのでしょうか。

未開通区間は神奈川と千葉に

 2017年2月26日(日)、茨城県内の境古河IC〜つくば中央IC間28.5kmが開通し、圏央道は全長約300kmの9割にあたる約270kmが開通しました。残る未開通区間は、神奈川県と千葉県にあります。

青い破線が横浜湘南道路、赤い破線が高速横浜環状南線のルート。いずれも建設中で、圏央道の一部に位置付けられている(画像:国土交通省横浜国道事務所)。

 神奈川県側では現在、新湘南バイパスの起点となっている藤沢IC(神奈川県藤沢市)から東へ、栄IC・JCT(横浜市栄区)までの約7.5kmが「横浜湘南道路」、戸塚IC(同・戸塚区)から栄IC・JCTを経て横浜横須賀道路に接続する釜利谷JCT(同・金沢区)までの約8.9kmが「高速横浜環状南線」としてそれぞれ建設中です。すでに開通している新湘南バイパスの茅ヶ崎JCT〜藤沢ICと、横浜湘南道路、高速横浜環状南線、それぞれが圏央道の一部に位置付けられています。

神奈川県内における圏央道の概要(画像:国土交通省横浜国道事務所)。

 事業の進捗を、国土交通省横浜国道事務所に聞きました。

――圏央道の事業進捗は。

 用地買収を進めるとともに、完了したところから埋蔵文化財調査を行っています。藤沢ICや栄IC・JCTなど、一部では工事も始まっています。

――どのような道路になるのでしょうか。

 工事が始まっている藤沢ICや栄IC・JCTは地上につくられますが、横浜湘南道路、高速横浜環状南線ともにトンネル区間が多くを占めます。

――開通の見込みは。

 2020年度を予定しています。ただし、「土地収用法に基づく手続きによる用地取得等が速やかに完了する場合」です。

千葉側は未着工 全線開通はいつ?

 千葉県側の未開通区間は、東関東道に接続する大栄JCT(千葉県成田市)から、松尾横芝IC(同・山武市)までの約18.5kmです。進捗状況を国土交通省千葉国道事務所に聞きました。

大栄JCT〜松尾横芝IC間の位置図(画像:国土交通省千葉国道事務所)。

――大栄JCT〜松尾横芝IC間の進捗状況は。

 用地買収を進めている最中で、完了したところから、千葉県による埋蔵文化財調査に着手しています。工事の準備を進めているという段階です。

――開通の見込みは。

 現時点では、いつ開通という具体的な年月を発表するには至っていません。

※ ※ ※

 圏央道の全線開通は、早くとも2020年度以降になる見込みです。なお未開通区間の建設のほか、暫定2車線で開通した区間の4車線化事業も一部で進められています。

【図】圏央道の全体概要

赤線の境古河IC〜つくば中央IC間は2017年2月26日に開通し、現在、横浜湘南道路、高速横浜環状南線、大栄JCT〜松尾横芝IC間の建設が進められている(画像:NEXCO東日本)。