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(台北 25日 中央社)中央研究院の黄進興副院長は24日、同院台湾史研究所が2008年4月に偶然購入した二・二八事件と白色テロに関する資料の出版が、今年中に全て完了する予定だと明らかにした。

黄副院長によれば、この新たな史料は、当時の政権が二・二八事件において諜報員をどのように各地の処理委員会に忍ばせ、対象者を検挙させていたのかなどを研究する上で、新たな切り口をもたらした。

同院は2009年に新史料を公開、同4月には専門の学者を招き、解読チームを結成した。2015年6月には台湾史研究所が二二八紀念基金会と共同で「保密局台湾站二二八史料彙編」の1冊目を出版。現在までに3冊目まで発表されている。

この日、台湾史研究所と二二八基金会が共同で開催した学術セミナーに出席した黄副院長は、島内に住むエスニックグループが対立や衝突を経て、現在では歩み寄り、相互理解をするまでになったことに言及し、二・二八事件の真相解明によって歴史の傷を徐々に癒していければと願った。

(余暁涵/編集:名切千絵)