(写真提供=SPORTS KOREA)組織委員会会長を辞任した趙亮鎬(チョ・ヤンホ)氏

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平昌冬季五輪の公式ホームページの地図で、竹島が「独島」と表記されている問題が浮上した。

日本の外務省は韓国政府に対応を要請したというが、イ・ヒボム平昌五輪組織委員長は「対応する価値もない。話にならない主張」と一蹴している。

韓国のネット住民たちも「他国の領土の表記に文句をつけるなんて狂ったのか」「この問題で日本が参加しなくなればさらに世界的な広報になるな」「なぜ我々が日本の言葉を聞く必要があるのか」などと鼻息が荒い。

「話にならない主張」と一蹴するワケ

韓国側が「竹島」と表記する可能性は極めて低い、いや皆無だろう。

最近、韓国では歴史教科書の国定化が話題となっていたが、公開された国定教科書でも竹島が韓国固有の領土であることが根拠とともに、明記されていたからだ。

そうでなくても平昌五輪組織委員会は現在、さまざまな問題に悩まされている。

最大の急所は、財政問題だ。

平昌五輪組織委員会の収入構造は、国内スポンサー(38%)、IOC支援金(20%)、政府支援金(14%)、グローバルスポンサー(8%)、入場券収入(7.4%)、その他(12.6%)となっているが、最も多くの比重を占める国内スポンサーを集めるのが困難となっている。

資金集めで苦労してきたことは以前から報じられてきたが、国内スポンサーの募金額は、未だに目標額から1000億ウォン(約100億円)も足りていない状況だ。

さらに開幕まで1年余りとなった今になっても、主要取引銀行が決まっていないという。「昨年10月にVISAカードから早く主取引銀行を選定してほしいという要請がきた。努力をしてきたが個別交渉ができず、結局、公開入札に参加した状況」とは、イ・ヒボム委員長の言葉だ。

何よりも、政治スキャンダル“崔順実ゲート事件”の影響が大きすぎる。

平昌五輪組織委員会は1月17日、記者との懇談会を開いて「崔順実ゲート事件と関連した陰謀があり、ターゲットになりはしましたが、実際になされたことはありません。今後は五輪開催に向けて力を合わせていきましょう」と呼びかけたが、疑いの目は晴れていない。

崔順実やその側近らが関与したという推定や疑惑が真偽を問われぬまま拡散し、平昌五輪は「崔順実一味の遊び場」という表現も出ている。

これまで、オリンピックやアジア大会、サッカーのワールドカップといった国際大会の開催は、韓国の国際的な地位を高めることになり、それを支援することで、財閥の社会的イメージも上がるという相乗効果で資金が回っていた。

しかし、崔順実の利権が絡んだことで平昌五輪のイメージは悪くなり、財閥としても支援をためらう状況にあるという。

犬食文化、特別帰化などの問題も

ちなみに、韓国ならではの問題も出ている。

複数の韓国メディアによると、平昌郡のある江原道一帯の「ポシンタン」店では、看板を下ろす対策をとるという。

「ポシンタン」は、食用の犬を使った料理だ。犬料理は外国人の印象がよくないからだという。イギリス政府の嘆願サイトで9万人が署名するなど韓国の犬食文化は非難されているが、一部ではその問題を挙げて平昌五輪をボイコットしようという声もあるらしい。

2018年の平昌五輪の後には、東京五輪(2020年)、北京冬季五輪(2022年)と近隣国での開催が続くだけに、韓国はなんとしても平昌五輪を成功させたい思いが強い。平昌五輪のために外国人の特別帰化を続々と許可するなどメダル対策をとる前に、開催国としての役目をきちんと果たせるか注目したい。
(参考記事:平昌五輪のために外国人の特別帰化を続々と許可せざるを得ない韓国の実情

いずれにしても、残された時間は1年余りだ。

(文=慎 武宏)