決勝進出を決めたレアル・マドリー。しかし、疲労の蓄積は顕著だった。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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クラブW杯準決勝】クラブ・アメリカ 0-2 レアル・マドリー/2016年12月15日/横浜国際総合競技場
 
 試合終了から約1時間が経った頃、メディアが集まるミックスゾーンに帰り支度を終えた選手たちが現われた。しかし、R・マドリーの面々は質問を投げかける記者たちに笑顔を向けながら、答えはせずに部屋を通り抜けて行く。本来であればメディアの前で試合を振り返るのが通例だが、この日は数人を除いて大半の選手は走り抜けるように去っていったのだ。
 
 欧州チャンピオンの生の声を聞きたかった記者たちにとっては非常に残念であったが、R・マドリーの選手たちは、メディアを使って自分たちの想いを発信するよりも、少しでも早く身体を癒したいというのが正直なところだったのかもしれない。
 
 実際に監督会見に出席したジダン監督は鹿島との決勝戦に向けて「自分たちにはとにかく休養が必要だ」と語っている。
 
 チームは現地時間12月10日のデポルティーボ戦後にマドリードを出発し、日本時間の11日早朝に約13時間のフライトを終えて成田空港に到着。翌日から日本でのトレーニングを始め、15日に準決勝のクラブ・アメリカ戦に臨んだ。そして中2日で、今度は鹿島との決勝戦を迎える。
 
 ハードスケジュールをこなすなか、屈強な男たちの身体にも疲労が蓄積しているのは確実だ。チャンピオンシップの戦いから連戦が続く鹿島にも同様のことが言えかもしれないが、レアル・マドリーに付け入る隙は、そこにあるのかもしれない。
 
取材・文:本田健介(サッカーダイジェスト編集部)