世界最長の高速鉄道網を構築した中国は、自国について「世界の高速鉄道大国」であると自画自賛するが、中国の鉄道車両メーカーである中国中車はこのほど、時速600キロメートルで走行可能な高速リニアモーターカーの開発に着手することを発表した。なぜ高速鉄道大国であるはずの中国が今になってリニアモーターカーの開発に乗り出す必要があるのだろうか。(イメージ写真提供:123RF)

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 世界最長の高速鉄道網を構築した中国は、自国について「世界の高速鉄道大国」であると自画自賛するが、中国の鉄道車両メーカーである中国中車はこのほど、時速600キロメートルで走行可能な高速リニアモーターカーの開発に着手することを発表した。なぜ高速鉄道大国であるはずの中国が今になってリニアモーターカーの開発に乗り出す必要があるのだろうか。

 レール上を走行する高速鉄道に対し、リニアモーターカーは浮上して走行するため同一の線路を使用することはできない。中国はすでに世界最長の高速鉄道網を構築しているため、リニアモーターカーを開発し、普及させようとすると既存の高速鉄道網が無駄になってしまう恐れがある。

 それでも中国がリニアモーターカーの自主開発に乗り出す理由について、中国メディアの人民網は28日、中国中車の関係者の話として、「リニアモーターカーに関わる技術は世界で大きな注目を集める技術であると同時に、リニア産業は国家間で開発競争が行われる未来の新興産業の1つである」とし、中国は自主開発を通じてリニア技術の掌握と市場の育成を行いたい考えだと伝えている。

 記事は、北京市と上海市を結ぶ京滬高速鉄道には高速鉄道技術が採用されているものの、もともとはリニア路線として開業する案も存在したことを指摘。約7年間にわたる議論の末、リニア路線案は「中国のリニア技術は未完成であり、建設コストも高額」であることなどを理由に、高速鉄道案に「敗北した」経緯があると紹介した。

 さらに、北京-上海間の路線に高速鉄道が採用されたことで、高速鉄道は中国で大きな発展を遂げる一方、リニアは徐々に忘れ去られてしまったとする一方、中国湖南省長沙市で2016年5月、中国が自主開発した最高時速100キロのリニアモーターカーが開通すると、省エネで騒音が小さく、地下鉄建設より低コストである利点などを背景に、再び中国でリニア熱が高まっていると伝えた。

 続けて記事は、中国が高速で走行可能なリニアモーターカーの自主開発に乗り出す理由として、中国中車の関係者の話として「リニアモーターカーに関する基幹技術を掌握し、標準規格を制定することで産業化に向けた能力を獲得し、将来に向けて市場を育てること」が目的だと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)