競争の激しいアイドル界…

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現在のアイドル業界のトップに君臨するAKB48を筆頭に、乃木坂46やSKE48など、次から次へと人気アイドルを輩出するAKBグループ。さらに海外にも進出し、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍を見せている。その巨大組織を率いているのが、大物プロデューサーの秋元康である。

おニャン子とAKB48以外にもプロデュースしたアイドルが


秋元康といえば、80年代に一世を風靡した「おニャン子クラブ」のプロデューサーとしても、知られており、現在でも活躍する工藤静香や渡辺満里奈、国生さゆりなどを一躍スターダムにのし上げた立役者でもある。
1985年にプロデュースした「おニャン子クラブ」と2005年にプロデュースした「AKB48」、この2組の間には約20年もの空白期間がある。大物プロデューサーであれば、その間にも数々のアイドルをプロデュースしただろうに、一般的に知られているのは、この2組しかない。

この約20年の間、秋元康の手によって数々のアイドルがプロデュースされたものの、鳴かず飛ばずのまま闇に葬られてしまったアイドルの名前をご存じだろうか。

安直な発想で生まれた「ねずみっ子クラブ」


90年代、秋元康の「おニャン子に続くのはねずみだろう」という安直な発想でプロデュースされた「ねずみっ子クラブ」は、たった1年の活動で終止符を打たれた秋元康の黒歴史でもある。
「ねずみっ子クラブ」とは、秋元康が構成を務めていた『とんねるずの生でダラダラいかせて!』(日本テレビ)の番組内で派生したユニットで、小学生が中心の総勢10名からなるアイドルグループ。“セクシー”を売りにしており、ファーストシングルの『ねずみ算がわかりません』の歌詞を見てみると、小学生が歌うには少し卑猥で過激な歌詞になっている。

♪その気にさせて ごめんなさい もう少しだけ 我慢してね
義務教育だけじゃ 教えてはくれない くどかれ方と 恋のねずみ算
パパやママの頃と 時代が違うのよ 歳の数より 育ち過ぎた スリーサイズ

「セクシー小学生」は過激すぎてた?

 
この歌詞に載せて、まだ発育もままならない小学生たちが、ピタッとフィットしたバニーガールのようなねずみのコスチュームを着て歌うのだから、世のお父さんお母さんたちは嫌悪感を示したに違いない。
その影響か、とんねるずの番組内でヘビロテで流されたにも関わらず、オリコンチャート43位という不甲斐ない結果に終わった。

そして、そこに油を注いだのがセカンドシングル『先生!鈴木くんがエッチなんです』だ。
タイトルから過激さが如実に現れており、これも見事に世の中からスルーされた。オリコンチャートは99位という情けない結果で終了し、1年ほどで解散という憂き目を見たのだった。
秋元康のWikipediaを見てみても、「おニャン子クラブ」と「AKB48」に関しては具体的に書かれているものの、「ねずみっ子クラブ」に関しては1文しか書かれていなかった。彼自身にとっては、触れられたくない過去なのかもしれない。
(松庭直)